*摂政の権限










「太子、…なんですかこれは…」
「ん?」


顔色を変え、私に話しかけるやいなや一枚の紙を顔に押し付けられた。
その紙を妹子から奪いとり良く目をやると、私がこないだ考えた新しい憲法(にしようと思っていたやつ)だった。







摂政の権限。







『十八に曰く、同性の恋愛を認めよ。』


これは同性愛への認可である。
この時代にも、私や妹子の様な関係の者は少なからずいる。
その者達に捧ぐ憲法を作ろうと思った。

私だって外で妹子と手を繋いだり、接吻したり、イチャイチャしたいと思ってはいる。
だけども、結局『ソレ』は世間一般的に可笑しい事というのは分かっている。

だからこそ、十八番目はその一般論を覆すべく作ろうとした産物だ。


「あぁ…、これか」
「これかって、あんたなんてものを憲法にしようとしてるんですか!?」
「いや、だってこれ合ったら外で妹子とて繋いだり出来ると思って」
「あ…え…いや…(このおっさんは何可愛い事アホな事言ってるんだ…)」
「(うげー、妹子顔キモイぞ…)でも、辞めたんだ!」


そう告げると妹子はニヤついた顔つきを一気に変貌させ、深刻な顔をした。


「いや…憲法にされても困りますが、一応聞いておきましょう。なんで辞めたんですか?」
「え…、どうしてって…、気が乗らなくなったから」
「それだけの理由で!?僕との野外プレイもそれだけの理由で崩れたァー!!」


妹子は大層がっかりした様子だ。
しかし、私にだってただ単に気が乗らなくなった訳じゃない。
ちゃんとした理由はある。


「だって、これ作ってもし本当に憲法になっちゃったら、同性愛は常識になっちゃうんだよ?」
「そうですね。でも太子はソレを望んだんじゃないんですか?」
「うーん。まぁ、そうだな。でもそれで他の奴に妹子をとられたら嫌だと思って辞めたんだ」
「…ん?」
「だから、妹子が他の奴に取られるのも、妹子が私の傍から居なくなるのは嫌だって言ったんだ!」
「……太子?」
「だってそうだろ?妹子は結構天然タラシだからな!」
「タラシじゃないですよ、アホ」
「アホじゃない、摂政だコラ〜」


ムキーっと怒っていると、妹子は笑った。
そしてぎゅっと抱きしめてくれた。


「太子の傍から離れたりなんかしませんよ。なんたってアホなんですから、僕が面倒みてあげないとね」
「うるさい、アホ妹子。浮気したらマジで許さんからな。したら終身刑だぞ、湯のみマッスルアタックするぞ。そんでもって飛鳥文化アタック食らわすからな!摂政の権限で」
「…はいはい」



妹子は嬉しそうに笑って答えた。





[fin.]







@あとがき
あれ。文章がまとまってない。いつものコトですがすいません…。

結局、こんな感じです。

憲法にして同性愛広まる。 → 見知らぬ男が妹子を好きになる、又は、妹子見知らぬ男に惚れる。 → 妹子浮気!

が嫌だったので、憲法にしなかった!摂政の権限で。的な感じです。



プチ番外編なんですけど
妹子が後々太子に
「でも、それって太子が僕に摂政の権限で『太子以外との恋愛を禁止』すればいい事では…?」
「はっ!それだ!!」
って言う会話が繰り広げられたらいい…。
ん?でもそれでは妹子墓穴ほ…、いや、愛ですよねわかります。

すいません。なんかグダグダで。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

























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