memo
12.6.11 3Pルクガイ前編

※いきなり途中から始まってますが、ルークが二人に分裂したと思ってて下さい。


「ガイはどっちがいいんだ」
『俺と、そっちの俺と、どっちがいいか選んでくれよ』
「そんな事…」

選べるはずがない、とガイは首を振った。少々強引な所がある長髪のルークも、他人を気にする事が増えた短髪のルークも、どちらもガイを大切にしてくれるルークには変わりない。今日一日を通してよくわかった。だからどちらかを捨ててどちらかを選ぶ事はガイにはできなかった。

「頼むから喧嘩しないでくれ。俺はどっちも大切なんだ」

ガイの頼みにルーク達は顔を見合わせる。正直お互いを認める事はそう簡単にはできそうに無いが、ガイの頼みを無下にすることもできない。

「…絶対どちらかのものにはならないのか?」
「ああ。しいていうなら俺は二人のものだ」
『…わかったよ、ガイ』

やれやれと髪が短いルークはため息をつくと長髪のルークに目配せした。

「じゃあ二人でやるか」
「ん?」
『それしか方法は無いな』

何を、とガイが戸惑っている間にどさりとベッドに押し倒された。ルーク一人ならまだしも二人相手にのしかかられてはガイも抵抗らしき抵抗ができない。こんな時に妙に息が合った二人に対してもがきながらガイは慌てた声を上げた。

「ルーク!?」
「選べないんだろ、ガイ」
『だったら二人でやるしかねぇじゃん』

ベッドに押し倒されれば二人が何をしたいのかは鈍いと言われるガイでもわかった。いや、そこでやらないという選択肢はと思うが言った所で無駄なのだろう。だが二人相手というのはガイにとっては未知の世界だ。いくら相手がルーク達であっても若干の恐怖を感じる。

「ちょっと待て、二人は無理だって!」
『ガイが選ばねぇからだ』
「俺だって…やっぱり"俺"には譲れない…」
「待てって!…ぁんっ、は……」

片方はしょうがないだろと傲慢に、片方は何やら決意を秘めてガイの服を脱がしにかかる。ガイの薄く開いた唇や現れていく素肌へ群がるように口づけを繰り返すルーク達に目眩を覚えた。

「好きだ、ガイ…」
『俺だって好きだからな、ガイ!』

好きという言葉をガイにぶつけて呼吸を奪い所有印を散りばめていくルーク達にまるで自分が食べられていくような錯覚さえ感じた。

(抗えない…)

唇が離される一瞬一瞬に嫌だやめろとは口にしているが、ルーク達に食べられてしまうならそれでもいいと思ってしまう自分がいる。ルークに弱いとは周囲から散々言われてきたことだがまさかここまでとは自分でも驚きだ。

「ひぁぅ…ぁっ…」

どうせ逃げられやしないんだ、素直にゆだねてしまってもいいじゃないか。誰に向けたでもない言い訳をしながらガイはルーク達を両手を広げて抱え込むようにして受け入れた。予想もしてなかったガイの反応にぴたりとルーク達の動きが止まる。だがそれも一瞬ですぐに嬉しそうに破顔しながら行為を進めていく。二人の手によって迷いなく綺麗に服を脱がされていく様子をいっそ見事だとガイは抵抗をやめたまま眺めていた。

「へへっ…」

零れた笑いがどちらのものか判別できない。なぜなら上半身を曝け出されたとほぼ同時に二人ともガイの胸に吸い寄せられるように唇を寄せたからだ。

「っ…」

そんなに吸っても何も出ないはずなのに何を熱心にそこを愛撫するのかガイには理解できない。でも情事の度に飽きもせず吸われるそこは最初の頃に比べて確かにじんわりとした何ともいえないしびれのようなものを伝えてきた。

「そこばかり…っ…何が、楽しいんだ…いっ…あぁ…!」
『楽しいぜ?』
「ここだけでもガイはすっげー気持ちよさそうな顔するから」

それを眺めてると楽しいしもっと苛めたくなる。なんて二人に雄臭くにやりと笑われればなんとも恥ずかしい気持ちで顔をそらせることしかできない。

(ずるいだろ…)

どこでこんな事を覚えてきたのだろう。聞きたいような聞きたくないような複雑な気分だ。

ルーク達はまるで競いあうようにガイの胸の飾りに軽く爪を立てたり甘く噛んだりして快楽を引き出そうとしている。びりびりと感じる気持ちよさとぴちゃぴちゃと響く濡れた音、見下ろしたらルークが二人自分の胸を真剣に舐めている様子は非現実的なものでまるで夢でも見ているようだった。

「っぁ…や、しつこいぞ…ルーク」

堪らずガイは二人の動きを止めた。実際そこが二人の唾液にまみれててらてらと光りながらぷっくり赤く膨れ上がるぐらいになっていたのだ。ここまでされると明日までこの腫れは引かずシャツに擦れて微妙な居心地の悪さを感じるのは確定されている未来なのでこれ以上は勘弁して欲しかった。

それにもう一つ…。

『どうしたんだ?ガイ』
「もっとされたくねぇの?」

ちらりと自分の希望を言葉にせず視線に乗せて訴えるが二人とも首をかしげてわざとらしい言葉を吐いた。さっきまであんなに喧嘩ばかりしていたのにどうしてこういう時だけ意地悪な程息が合うのか。いかにもな嫌な笑みはまるであの軍人のようだ。変な影響を受けてしまったのだろうかと思うと不安で仕方がない。

『なんだよ、考え事か?』
「まだ余裕あるんだな、ガイ」

嘘だ。余裕なんてどこにも無い。その証拠にガイの自身は熱を主張をし始めているというのに。それをルークたちが気づいてないはずがないのに。

「ひっ!」
『おっとわりぃ。触っちまった』

(確信犯かよ…!)

うっかり触れてしまったなんてルークは笑ったが完全にその手は明確な意図を持ってガイの昂っている部分を撫であげた。ちょっとの刺激だったが熱の欠片を拾うには十分すぎるぐらいだ。益々煽られてしまいガイは唇を噛んだ。

「ルーク…!」
「ガイがちゃんと言ってくれたら俺、ガイの望み通りにするから!」
『ちゃんと言ったら、な』

そこまでして自分に言わせたいのかと思う。だが二人の期待した瞳はその疑問に肯定を示していてこの我慢比べでは自分の方が分が悪い事をガイは悟った。普段は何も言わずとも通じ合えるのに、ルークが二人になったからいつもと趣向を変えようというのか。

「っ、触って……」
『どこを?』
「ここ、を…」

凄く不本意だが己の熱の在処を控えめに指し示す。これでいいだろうとガイは思ったがルークの質問は終わらなかった。

「どんな風に?」
「そっ…れは…」

なぜそこまでしなければならないのか。そう思うと涙すら出てきそうだが、ここまで来て二人の目の前で自慰をするなんて事になったらそれこそ耐えられない。

(くそっ、後で覚えてろよルーク…)

明日の夕飯はシーフードカレーと人参サラダにしてやろうとガイは心に決めつつ自ら下穿きを全部脱ぐと震える指で熱の塊を撫でた。自分の指ですら感じてしまう己の身体に舌打ちしたくなる。

「こ、こうやって……」
『こう、か?』
「んあっ」

長髪のルークに奪われるようにぐいっと掴まれると容赦無く上下に扱かれガイは震えて天を仰いだ。だが漸く与えられた明確な刺激に身体は素直に喜びを返す。

「いや、こうじゃないか」
『んーそっか。それもいいな』

短髪のルークはあえてガイ自身を掴む事無く指一本でガイの昂りの表面を撫でるようにそっと動かした。筋をなぞったり先端を突っつくようにして楽しげに指を動かすルークは無邪気なようで恐ろしい。目がさめるような快感は無いが代わりにじれったいような熱が沸き起こる。

なるほど、と頷いた長髪のルークが手をどかし竿の下の方と双玉を激しく揉む。短髪のルークは先の方をさわさわとくすぐるかのように絶妙な力加減でなぞる。二人の連携プレーにガイは身悶えるしかなかった。

「ぁっ、あ…やぁっ……」
『気持ちいいってさ』
「良かった…」
「きも、ち良いなんて…いってな…!」
『でも気持ちいいだろ?』
「ぅっ…」

じゃなきゃこんなにはしないだろうとルークがわざわざガイが零した先走りの蜜が絡んだ指を広げてこちらに見せつけながらいやらしく舐めとる。そんな物を見せられてもと顔を背ければわかってますとばかりに唇を別のルークに奪われる。ちゅくちゅくと舌が絡む音とルークが自分の指を舐める音が妙に耳に残る。ああ、どうやってもルークからは逃れられないようだ。知らず内にあがる呼吸の中でまじまじと思い知らされた。

「あっ、るー、く……い、きそっ…」
『もうかよ。はえぇっつーの』
「二人がかりだからしょうがないんだろ」
『ちぇっ、つまんねーの。まあいいや、まだ時間はたっぷりあるし』

これでやっと一旦解放されるとガイが気を抜いたところでぎょっとした。

「ちょっ…!?」
『どーしたー?』
「すぐイかせてやるからなガイ」

ぺろぺろとまるでアイスでも舐めるように二人は口を近づけてガイのものに舌を這わす。時々食むように唇を動かしながらぬるぬると動く温かい感触。とろりと流れ落ちるのは唾液か蜜か。別々にまるでいきもののように動く二人の舌に挟まれてガイはいよいよ限界を感じとった。

「ひっ、イく…ぁっ、はなれ…ぁぁっ!」
『イっちまえよ』
「そうだよ、ガイ」

ちゅっと二人の唇で最後に先端を吸われた事が追い打ちとなり、解放の衝動に思わず二人の髪を掴んでしまいながらガイは熱を吐き出した。

「あっ、あああっ!」

びくんと何度も震えて白濁が吹き上がる。蕩けた表情でぼーっとそれを見つめていたガイは最後まで間近に顔を寄せていた二人がどうなったかを視界に入れて漸く意識をはっきりさせた。

「ルーク!?」
「避けきれなかったな…」
『ま、しゃーねぇな』

不覚にも顔にかけてしまった事におろおろと慌てるガイをよそに二人は割りと寛容に物事を受け入れていた。むしろ顔にかかったものを指で掬って舐めたりしている。

「ば、ばかっ、口に入れるな!」
『なんだよ。じゃあガイがなんとかしろよ』
「はぁ!?」
「あ、いいなそれ。俺もガイに綺麗にされたい」

確かに自分のせいではある。もっと無理矢理にでも離せば良かった。それを離すどころかその場に留めるように手を伸ばしてしまうなんて。後悔してもどうしようもない。
なんとかしてくれ、と尊大に言うルークと控えめに言うルークの顔にガイは覚悟を決めて舌を這わせた。


後半へ続く

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