ミス・スターダスト [25/29]
人は夢を見る

君は綺麗な桜のようだ
ハラハラ落ちるその時限りに咲く桜のように
あの時の記憶を落とす花びらだ

飛び降りようとした屋上の柵の前に待った雪のように
飛び降りて雪に埋もれ 闇に彷徨う結晶のように

触れれば溶けるダイヤモンド

携帯電話からはもう届かない
コールを押してもガイダンスに繋がるだけ

美に包まれた栄光のひと時が溶けてゆく
忘れてゆく栄光の日々は 僕以外の心から消えてゆく

死ぬその日まで 僕は君を忘れない

君はどの星になったんだい

晴れすぎた空へ問いて

僕はそれでも思い出す

霞むノイズのような儚い あの記憶
桜はそれでも咲くのだから

あの冬の絶望を 掻き立てる

それ以外の人が忘れようとも 僕はあの時の冬と春を忘れない

人は夢を見る とても儚い絶望を見た後でも


(企画:ear)
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