ランコト11 | ナノ
ランスの部屋に、一人の少女が眠っている。
眠っている、というよりもうたた寝をしている、が正しいだろうか。
少女は夕日のあたる窓の近くのソファーに寝転び、少女の二つに結われた茶色の髪は床に広がり、夕日を浴びて金色に輝いていた。
少女の手は無防備に投げられ、その近くにはやや分厚い本があることから、少女が本を寝転がりながら読んでいたことは容易に知れた。
側に丸まっているのは彼女のエーフィで、それはどこか神聖で、美しい絵画のようだった。


ランスはその少女……コトネに近寄り、静かに肩を揺らす。
コトネがぐっすりと眠っているのを見て、ランスはくすりと笑みを零す。
美しい光景であるのは確かだったが、このままでは風邪をひいてしまうだろう、とランスはコトネの膝の下と背中に手を回し、慎重に持ち上げる。
横抱きまま、ゆっくりと寝室に運ぶ。






コトネはぱちり、と目を覚ました。
開けた途端に目にはいるのは見慣れた天井で、感じたのは温かな体温。
横を見ると、ランスが眠っている。

あれ、いつの間に寝たんだっけ。
疑問に対する答えを探そうと、記憶をさぐる。
ソファーでうたた寝したところまでの記憶はあるのだから、きっとランスがここまで運んできてくれたのだろう。
今の時間は、と時計を探すと、一日は既に終わっていた。

一応シャワーは浴びたのだし、朝食をしっかり食べてしまえばいいか、とコトネは睡眠を甘受することにした。
ランスの腕に抱かれたまま、瞼を落とす。

二度目の眠りも、あっさりと少女を取り込んだ。





20100311
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