Clap



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おまけ



倉沢







「先輩寒い」

「そんだけ着こんでなに言ってんだ」


クリスマス、リア充、ケーキ、雪。
12月はそういう季節だ。

「サンタさんはなんでおじさんなんすか?」

「しらねぇよ」

「かわいい女の子の方が絶対需要あるのに!」

「それ男にだけだろ。つか性別かわってるし」

「でも倉持先輩も女の子の方がいいでしょ?」

「ったりめぇだばかやろう」

そういいながらもとなりにいる恋人は男である。
哀しいかな、気付いたら同性の沢村を好きになっていた。なんてことだ、と思いながらもすでに3年が経とうとしている。時間の流れは速い。
クリスマスというものを今まで特別意識したことは無かったのだが、なぜか今回便乗することになった。
それも沢村がつい一時間ほど前にテレビでケーキが写ったのを見て食べたい!と言い出したからだが。
倉持自身はこたつでぬくぬくみかんを食べていたかったのだが、根負けして渋々ケーキを買いに行くこととなった。ついでにイルミネーションを見てから行こうとなったので、このリア充溢れるキラキラした道を場違いも甚だしく歩いているわけだが。しかし端から見て場違いなだけであって、きちんとリア充の一員ではある。
寒い寒いと言って男二人が背を丸めたまま歩く。
倉持は帰りたいと内心思ってはいるものの、となりで寒い寒いと言いながらもどこか嬉しそうなのを見るともう少し付き合ってやるかという気持ちになってくる。なんてことだ。


「で?お前どこのケーキ買うとか決めてんの?」

「ロースン」

「は?」

「もう少し歩いたらつきやすよ」

「ちょっとまて沢村、ロースンなら家出てすぐのとこにあっただろ」

「イルミネーション見たかったから」

「うそつけお前さっきから地面ばっか見てんの知ってんだぞ」

「…あそこのロースンが好きなんすよ」

「目ぇそらすなコラ」


沢村がいっこうに倉持を見ようとしない。何を隠そうとしているのやら、本当に分かりやすい。これが投手とは思えないが何故か大学でエースとなっている。 なんてことだ。


「ちゃんと俺が満足する理由言ったらこの寒い思いしてお前に付き合ってやったのも許してやらなくもない」

「それ許されない確率の方がたか」

「さーん、にー」

「いいますいいます!倉持先輩と出掛けたかったんです!」


もうヤケクソのように沢村が言うと、寒さのためかなんなのか顔を赤くし、唇を尖らせてそっぽを向く。 倉持は予想通りと思ってはいるものの、実は沢村がいじらしくて仕方ない。


「…満足っすか」

「うん」

「そっすか」


いつの間にか繋がれた手に、沢村が更に顔を赤らめる。

「…何ケーキにしやすか」

「モンブラン」

「そっすか」

「うん」



二人の体温が上がった。








end

大学生同棲設定。ちなみに沢村が高2のときに付き合い始めました。沢村が少しキャラ崩壊していたような
ま、いっか

ここまで読んでくれてありがとうございます。諸事情により更新が軽く停滞していますが生きているのでちまちまやります(笑)
良ければ感想や意見が貰えると嬉しいです。それではこれからもよろしくお願いしゃす!! 都










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