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「聞いたぜ、お前。あの森に行くんだってな」
「え、ユウ…!久しぶりさね」
「名前で呼ぶな!…今朝方に帰ってきたんだ」

親友で、幼馴染の神田ユウ。二年前からは仕事で街に行っていた。

「なんで帰ってきたん?いきなり」
「しばらく休暇もらったんでな。溜まった有給消化しろってうるさいんだ、上が」
「ふうん。で、なんで俺が森に行くこと知ってるんさ?」
「リナから聞いた」
「嗚呼…」
「女にしか興味ないお前が、金にがめつい男になってたとはな。貢がされてるのか?」
「手に入れようとは思ってないさ。色街で遊ぼうと思ってる」
「安い女を抱くために、町の掟を破ってまで森を荒らすのか?」
「ユウも神様なんて信じてんの?」
「そういうのじゃねえよ」

ユウが何を言いたいのか、俺にはよく分からなかった。








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「ラビ、ラビ!俺んちの斜向かいに住むダイアナが、お前と食事に行きたいってよ」
「なんで?俺そんな子、知らないけど」
「お前の行きつけの酒場で働いてる子だよ!ずっと気になってたらしい。お前のこと」
「食事だけならいいけど、一回だけね。まあ、暇があれば、また今度にでも…」
「?なんだか乗り気じゃないようだな。いつもなら凄く喜ぶのに。女からの誘い。お前…」
「喜んでるよ。女の子と飯食えるのは嬉しいさ。そりゃあ…ね」

なんだか自分は女に疲れているのかと思うほど、うんざりした気持ちになった。なぜ自分に興味を示すのか、よく分からない。そして興味を示したわりに金がないと分かれば去ってゆくのは、もしかして金持ちに見えるのか?そう思ったこともあったが、安っぽいシャツと、履き古したジーンズ、擦り切れたエンジニアブーツという姿のどこをどう見れば金持ちになど見えるだろう。バカな考えだと自笑した。







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