(ミクオ視点)
俺のマスターは小動物だ。
誤解しないよう言っておくが、マスターは人間である。
だけどあれは、どう考えても小動物だ。
小さいし、なんかびくびくしてるし。
俺や他の奴が表れたときの、マスターのビビり具合は凄かった。
そんなマスターだが、意外なことにギターと歌がすげぇうまい。
マスターの作る曲は全部センスが良くて、某笑顔動画でも人気が高い。
歌い手としても人気で、自慢のマスターだ・と言うのはここだけの話だ。
そしてそのマスターだが、今、俺の膝の上に頭を乗せ、寝ている。
………なに?
この状況。
すやすやと眠ってるマスターは、凄くカワイイ。
長い睫毛が少し赤くなった頬に影を落とす。
やべぇ…
マジでカワイイ……
なにこのカワイイ生物。
何だろう。
警戒心の強い小動物がなついた感じだ。
「…マスター?」
呼び掛けてみても返事がない。
マスターに顔を近づける。
このままキスができそうだ、というところで、後頭部に軽い衝撃。
「……何やってんだ、ミクオ」
「邪魔すんなよ、メイト兄ぃ…」
後少しだったのに。
メイト兄ぃのせいで…。
俺はじとっとメイト兄ぃを一睨みして、またマスターの寝顔に視線を落とした。
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