小説 | ナノ


▼ けんか別れ

いつかはそう




「ちっ、またさつきか。あいつはオカンかっての」



携帯の画面には、お節介な幼馴染みの名前。
でなければ出るまでかけ続けてくるだろう・と、ため息を吐き通話ボタンをおし、耳に携帯を押し当てれば、聞こえるさつきの怒鳴り声。

聞き流していれば、視界の端に写った、見覚えのある姿。


「晴之」





なにもかも忘れ




人混みに紛れていってしまいそうな、小さなその姿。
俺に気づいていないのか、歩く速度は緩めない。





ハローハローアゲイン
ILoveYou







「っ晴之!」


人混みの中の晴之に手を伸ばす。




それからそう





男子高校生には無いような細い肩を掴む。




君はまたこちらを




『“青峰くん”』


昔とは違う呼び名に、俺の犯した罪の重さを実感する。


「っ、」




振り向くよね





俺の方を振り返って笑う。
その笑顔でさえも、俺を攻め立てているようで。


『僕、バスケ部の手伝いに行かなきゃだから』


だから、バイバイと手を振る。肩を掴んでいた俺の手は、虚しく空を掴む。


「まっ…!晴之」


踵を返し去って行く晴之。 俺がお前の名前を呼ぶことすら、今更ってことか。



人混みに消えていくその後ろ姿を呼び止めることも、俺にはできなかった。




今更もう



けんか別れ





ーーーーー

黒バス大人買いスタート記念(笑)


帝光時代付き合ってた風の主と、けんか別れしたあと後悔しまくる青峰さん。

夢主くんは、黒子っちと同じ誠凛で、バスケ部のマネージャーという裏設定。
身長は黒子っちより大分低いです。



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