コンコン、と控えめなノックが聞こえた。こんな真夜中に誰だろう、と思ったが直ぐに脳裏をよぎった彼に心が躍る。ああ、私は彼を思っただけで喜びに満ちるほど、どっぷり浸かっているのね。
焦る気持ちを抑え、丁寧に上品に女性らしく扉を開ければ、愛しの彼が不敵な笑みを浮かべ立っていた。私の姿を下から舐めるように見た後、顎を掴まれ唇を奪われる。閉まる扉の音よりも、口内を暴れまわる舌が生み出す水音の方が大きく聞こえる。

「ふ、アリト…んっ」
「……」

何も言ってくれないのはいつものこと。いきなり現れ、満足するまで情事に及んだ後、夢だったのではと疑うほどあっさり居なくなってしまうのが彼なのだ。私を触る手は乱暴で、服を何着も駄目にされたが、何かを思い出したように一瞬優しくなるアリトにどうしようもなく惹かれてしまった。
彼は最後に唇をぺろりと舐め、私を扉に押さえつけた。スカートの中に手を入れられ、下着越しにグリグリと突起した陰核を擦られ、声を上げる私を彼は笑った。刺激が強過ぎて、首を振りながらアリトの手を何とかしようとするが、力が入らない。ガクガクと震える足にも力が入らず、崩れそうになる度に彼の指が陰核に当たるので、まるでアリトの指で自慰をしているような感覚に恥ずかしさがこみ上げてくる。

「俺の指、そんなに良いのかよ?○○」
「あ、あっ…う、んっ」
「ははっ、エロい女は嫌いじゃないぜ」

膣内を掻き回していた指を、今度は私の口内に無理矢理入れられる。歯列をなぞられ、舌を引っ張られ、苦しくて涙が出てくる。が、そんな苦しさを忘れさせる程の圧迫感が下腹部を襲った。アリトの熱いものが予告もなしに挿入されたのだ。いくら初めてではないとはいえ、流石に辛い。
ぐちゃ、ぐちゃと結合部からの音が室内に響き渡る。片足を持ち上げられ、必死で彼の首にしがみつきながら喘いでいる私はさぞみっともないのだろうが、アリトに愛されている満足感で一杯だった。

「あっあっ、ア、ひっ…、アリ、トッ」
「はぁ、○○…はっ、愛し、てる」

目を瞑って私の耳元で囁いてくれるアリト。
でも、私だけではないのでしょう?
彼の首にぎゅっと抱き付くと、いつも違う女物の香水の匂いが、それを物語っていた。

闇アリトと呼んでます。
どっちのアリトも好き!
130518

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