夕焼けスマイル


授業中とは違い、活気に満ちた教室で各々が帰り支度をする。私もその中の一人で、今日はどこに寄り道しようかと考えていたら、小鳥が話かけてきた。

「ごめん、○○。用事があって一緒に帰れないの」

眉をハの字にして謝ってくる小鳥を責めることなんて、出来るわけないだろう!



「でも、一人は寂しいな…」

この道もいつもならあっという間に通り過ぎる筈なのに、今日はとても長く感じる。夕日が沈みかけて、空が赤と青の二色になっている。綺麗だ、でもみんなと見たらもっと綺麗に感じるんだろうな。

「…早く帰ろ」
「おーい、○○!」

また歩き出そうとしたら、しんみりしている気持ちを吹き飛ばす、元気な声が聞こえた。走ってきた彼は、一緒に帰ろうぜ、と笑いかけてくれた。夕日に照らされた彼は、一段ときらきら輝いているように見え、顔が熱くなってくる。

「ありがとう、遊馬」

楽しそうにデュエルの話をする彼に、感謝の言葉を伝える。良く分かっていないようだったが、更に楽しそうに笑う彼に、私の胸は高鳴った。

130512

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