blue days 和平・ミラーは絶句した。 成績優秀、運動神経も良ければ、先生や生徒からの受けも良い彼が、たまに体調不良を理由に授業を休んだところで気を悪くする者はいない。 頭脳明晰な彼にとって、教師が淡々と教科書を読みあげるだけの授業など、退屈以外の何物でもない。だから今日も仮病を使い、男子生徒の間では天使とも女神とも称される、癒しの養護教諭が待つ保健室へ向かったのだ。 しかし、そこにいたのは天使などではなく。 「あんた、誰だ…」 「俺か?俺はスネークだ」 代わりに待っていたのは髭面のおっさんだった。 天使を期待して扉を開けば、まさに対極に居るようなむさいおっさんが待っていたのだ。和平はぽかんと口を開いたまま、まるで動けなくなってしまう。 白衣さえ着ていなければ、名札さえ付けていなければいっそ不審者かと思うほどには、そのおっさんは凶悪な顔をしていた。 「先生は…?」 「産休で今日から休みだ。って今朝朝礼で校長から話があったはずだが?」 成績は優秀でも、態度が優良などとは決して言えない和平が、校長のつまらない話など大人しく聞きに行くはずもない。したがって今知ったのだ。天使がいないという事実、そしてその天使には、男がいたという事実を。 がっくりと肩を落とすと同時に、踵を返す。こんなむさい男のいる部屋で寝るくらいならば、教師の退屈な話を聞き流している方が、いくらかましというものだ。しかし、保健室を出ようとした和平を、男は呼びとめた。 「おい、待て」 「なんだよ…」 不機嫌な声音を隠そうともせずに答え、振り返る。と、いつの間にか男はすぐ目の前まで迫っていた。突然眼前に現れたのに面喰って、一瞬身体が固まる。 男はぬっと手を付突き出したかと思うと、和平の額を覆った。 数秒遅れでようやくそれに反応した和平が、慌ててその腕を払う。 「っ…!!何すんだっ!」 「何ってお前、具合悪いんじゃないのか」 悪びれたふうもなくそう言う男に、和平は言葉に詰まる。 今更仮病などと言うことも出来ず、治った、と唸るように言うと、再び背を向け部屋を出ようとした。 その腕を、男ががっちりと掴んだ。力任せに振りほどこうとしたはずなのに、どれだけ力を込めようとも、その腕はぴくりとも動かない。 「っ、離せよ……」 苛立ちを露わに睨みつけるも、男は怖気づく様子もない。むしろあまりに冷静すぎる瞳に馬鹿にされているような気さえして、気付けば自由な左腕を振りかぶっていた。 男はそれをひょいと受け流すと、和平の腕を解放して半歩下がる。 「先生に手を上げるとは、随分度胸があるんだな」 責めている、というよりは楽しんでいるような様子で男は言った。和平は舌打ちすると、荒々しくドアを開けて逃げるように走り出ていく。 授業中だということも忘れて、ただひたすら廊下を走りに走った。 らしくない。これが普段の和平であれば、例えいくら苛立っていたとしても、決して教師に暴行を加えようなどという愚行は犯さないはずだ。我を忘れるなど、らしくない。 それもこれも、全てあの男の所為なのだ。眼帯姿のあの髭面を思い出すだけでまたふつふつと怒りが湧き上がってくるようで。 「くそっ」 知らず辿り着いていた屋上への扉を和平は勢いよく蹴り飛ばした。 どなたか、タイトルのセンスを持っている方いらっしゃいませんかー!!(切実) 学パロを書く上で、教師同士にするか教師と生徒にするか悩んだ結果、青い和平を書こうと思いました。教師だとマスターっぽくなるしね。 スネークは体育教師にしようかとも思ったけど、養護教諭の方がことに及びやs(強制終了)誰かスネークに白衣を着せてくれ!!そして脱がs(ry ただ完全に見切り発車というか、スネカズに転ぶかカズスネに転ぶかは本当にまだ分かんないです。その日が来るまでは… 和平は高2、3あたりの設定。若いなー… << novel |