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「千代って今まで何人の男と付き合ったことある?」

いきなりそう言ってきたのは、付き合い始めて1ヶ月になる私の彼氏である榛名元希さん。今までそんな話題にならなかったから反応に困ったしまともに榛名さんの顔が見れなかった。この歳で榛名さんが初めてなどと言って引かれるのが嫌だったから。でも私が超がつくほどの恋愛初心者であることはもう榛名さんには分かってしまっている。だから嘘をついたところで何の意味もない。

「は、榛名さんが初めて、です」
「嘘言うな」

正直にそう口にすれば榛名さんは不貞腐れたようにどこかそっぽを向いて私の方を向いてくれない。嘘じゃないことぐらい榛名さんならわかっているはずなのに。
私は今まで野球に恋してて男の子には全く興味がなかったし湧かなかった。だけど榛名さんだけは違って、もっと彼のことを知りたいと思うようになった。この先ずっと忘れることのできない初めての恋の相手。

「嘘なんてついてません!本当です!」
「千代って嘘つくと鼻の頭が赤くなるの知ってた?今、赤くなってる」

え?そうだったの?初めて知った…じゃなくて!榛名さん私の反応楽しんでる?なんかいつもの意地悪い顔になってる気がするんだけど…気のせい?…じゃないみたい。

「ぶっ…んなの分かってるって。本当千代ってからかうと面白い反応するよな。かわいー。悪かったって。千代機嫌直して?ほら、これで」

気の済むまで笑ったあと榛名さんは私の唇に軽く触れるだけのキスをした。榛名さんは私の機嫌を直すためにはキスが一番だと思っているらしく、いつも喧嘩したときはキスをしてくる。こんなことしなくても、一言ごめんって言えばいいのに。

「榛名さんなんて…だいっきらいです」
「はいはい、俺も大好き」
「大好きなんて言ってません」
「俺にはそう聞こえたの」

でも、誰よりも私のことを分かってくれている。それに、包み込むように後ろから抱きしめられて「好き」なんて言葉をくれる。もちろん二人きりのとき限定だけど。でも十分すぎるくらい私は幸せなんだ。好き、榛名さんが大好き。


大嫌いの反対
(榛名さん、大大大好きです!)

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