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可愛い偵察さんがやってきたの三星verの番外編
いつものように練習を終え、なんとなく篠岡さんのいた方を見てみる。そこには帰ったとばかり思っていた篠岡さんの姿があった。俺の勘違いかもしれないけど、俺の方を見ている気がする。それもすごく可愛らしい笑顔を浮かべて。俺の自惚れじゃなければ嬉しい。ためしに手を振ってみた。
そしたら篠岡さんはさらに表情を柔らかくして手を振り返してくれた。
「あ、お、俺の方見てたんだ…」
確信した瞬間恥ずかしくなってきて、盗み見るようにちらともう一回篠岡さんの方を見るとやっぱり俺のことを見ている。
「…叶、何してるんや?」
「お、織田あああ!」
「な、なんや?!突然!」
「俺、今なら死ねるかもしれない!」
「は?」
頭を抱えてうずくまっている叶を心配した織田が声をかけると叶は突然瞳を潤ませて織田にタックルを食らわした。突然のことで何の構えもしていなかった織田は思い切りその腹にタックルを食らい苦しそうに唸る。しかしそんなこともお構いなしに叶は大きな声を出して言った。
何事も前向きに考えよう(俺のこと見ていたってことは脈有りだよな?!)
(ああ…はいはい。そうやなあ)