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メール交換を始めて3ヶ月経った頃に告白した。OKを貰って浮かれてしまい、キスするタイミングを逃したことを悔やんだ。告白したときにさり気なくキスすればよかった、と。そう後悔したのがつい最近の出来事。

「…迅くん」
「あ、え、ち、千代?」

今日はたまたま千代と会う約束をしていたけど、何故か雰囲気がいつもと違う。潤いがあるっつーか、なんかすげえドキドキする…。視線が一瞬絡むだけで俺の心臓はびっくりするほど跳ね上がる。きっと気のせいなんかじゃない。だって今まさに千代の行動に驚かされているから。千代は潤んだ瞳で俺を見つめてきて、唇を俺の唇に重ねてきた。

(な、なんだこれっ)

「い、いい今のってっ」
「キスだよ。だって…迅くん私に魅力がないからキスも何もしてくれないんでしょ?」

悲しそうな顔で、今にも泣きそうな顔で千代はそんなことを口にした。違うって、千代。タイミングを逃しただけで、千代とキスしたいって心ではいつも思ってたんだ。言葉にしないとそんなこと伝わないよな、ごめん。けどわかってほしい、俺は。

「千代の想像以上に俺は千代が好きで、いつもドキドキしてんだからな」

なんて、ガラにもないこと言ってみれば千代はおかしそうに吹き出した。


言葉にして初めて伝わる

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