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若い新任教師。正直言うと、興味無かったし、どうでもよかった。けど、一目見たら一瞬で興味がわいて、この人はどんな風に泣いたり怒ったりするんだろうと、気になって仕方なくなっていた。


「サークラちゃんッ」
「こら!サクラ先生って呼びなさいって朝言ったばかりでしょ?」

年があまり違わないせいもあるが、先生と呼びたくない理由は他にあったり。
「サクラ先生」と呼ぶと、俺とサクラちゃんが教師と生徒という立場だと改めて実感させられるから。年の差なんて気にしない、が。立場というものは少なからず気になるわけで、俺はガラにもなく先生と呼ぶことに恐れを抱いている。

「別にいいでしょ?まだサクラちゃん若いし、ていうか俺より幼く見えるよ」

優しく頭を撫でながら言えば、彼女は俺の頬を思い切りつねってきた。褒め言葉のつもりだったが、どうやらお気に召さなかったらしい。大人の女性と言うには少し幼すぎる表情を俺に向けていた。むううとハリセンボンのように頬を膨らませて「どうせ童顔よ」なんて拗ねている。
ああもう俺より年上なのにどうしてこんなに可愛らしいのだろう。

「サクラちゃんかーわい」
「ちょ、教師をからかうのやめてよ!」
「あ、もしかして照れてる?…ほんとサクラちゃんってかわいい」

これでもかというぐらいかわいいを連呼してみたら、サクラちゃんの頬は面白いくらいどんどんピンク色に染まっていく。頬だけじゃなく、耳、首も。大人の女性だったらこれぐらい余裕に交わせるはずでしょ?でもそれができないからこそ、サクラちゃんって感じがする。寧ろすそういうところが魅力なんじゃないかな。

もう一度サクラちゃんを見れば恥ずかしそうに顔を背ける。ああもうほんとかわいすぎてどうにかなりそうだ。責任とってよ、サクラせんせい。

(ピンクから、抜け出せない)

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