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サクラと出会ってから数週間が経った。会った頃は大人しいイメージの彼女だったけど、仲良くなるにつれてだいぶ男らしい部分が出てきた。例えば、ナルトやシカマルあたりがよくサクラにビンタをされたりとか。まあそれのほとんどが照れ隠しって分かってるから、可愛く見えちゃうんだよね。

教師として、男としてどうするか

サクラが大好きだから、早く俺だけのものにしたいとか思うわけだけど、立場上手が出しにくいから、中々思いを告げられない。でも、好きで好きで仕方なくて、時々周りの目なんて気にせずに想いを伝えそうになってしまう。まあ、俺の普段の態度からして周りのやつのほとんどは冗談だと思うだろうけど。それぐらい俺、何をするにもものぐさだし。

「カカシせーんせ!」
「サクラどうしたの?」
「あのね、昨日カカシ先生元気無いみたいだったからクッキー作ってきたのよ。これ食べて元気出してね!!」

にっこり、皆を魅了する可愛らしいとびきりのスマイルをクッキーのオマケのようにくれた。俺だけのためにクッキーを作ってくれたことも、今の笑顔も、どうしようもなく可愛くて、つい抱きしめてしまった。きゃあと可愛らしい小さな悲鳴をあげたサクラに、一瞬周りの目がこちらに向いたが、すぐに元に戻る。よくある教師と生徒の戯れだと思ったんだろう。まあ、その方が好都合だけど。俺はしばらくサクラを抱きしめたあと、耳元に唇を寄せてありがとうと一言囁いた。サクラは真っ赤になった耳を押さえながら、俺を上目遣いで睨んできた。

「先生のばか!耳元で囁かないで!」
「あーごめんごめん。サクラは耳が弱かったんだね〜」

からかうつもりで言ったわけじゃないのに、サクラはさらに俺を強く睨んできて。まあそんなサクラも可愛いんだけど。そんなことを思いながらニヤニヤ笑ってサクラを見つめていたら、サクラは恥ずかしがりながらも「そうよ。耳弱いの!悪い?」なんて口にする。ああもう可愛すぎるよサクラ。
涙目で恥ずかしがるサクラは、俺の少ない理性を奪うには十分な威力で。俺は慌てて目の前のサクラから逃げるように教室を出た。後ろでサクラが何かを言っていたようだけど今の俺にはその言葉を聞く余裕なんてどこにもなかった。

(教師としては教え子の成長を間近で見たい。男としては、自分だけのものにしたい)

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