何でも有りのノールール
▽サスケ視点
サクラを狙っている男がたくさんいるのは知っている。そいつらからサクラを護るために今まで俺はいろんなことをしてきた。サクラを護れるならどんなことでもする。だがあいつらは簡単にサクラを諦めるような男じゃない。何度でも立ち上がり、サクラを狙ってくる。だからサクラから目が離せないし、全力でこいつを護ろうと誓った。一瞬でも目を離したらあっという間に誰かに連れ去られてしまうから。
***「…で、サスケ君。これはどういうことなの?」
「別に。少し睡眠薬を盛っただけだ。何か問題でもあるのか?」
「もう!何でこんなことしたの!」
俺の言葉に目を見開きそう聞いてきたサクラ。ありえないくらい鈍感なこいつには何を言っても無駄な気がした俺はその質問には答えなかった。サクラは納得していない様子で、俺を見つめてくる。むすっと頬を膨らませながら上目遣いのサクラに思わずドキリとしながらも、俺は何とか平然を保つ。
「何でも有りのノールールってことだ」
「?」
「お前は知らなくていい。俺だけ見てれば済む話だ」
サクラ本人に本当のことを言えるはずがない。この俺が嫉妬してサクラを害虫どもから必死で護ろうとしているなんて。サクラのことだ、きっと嬉しそうに笑って聞いてくれるとは思うが俺には言えない。だからといって、流石にこんな言い方じゃ納得するわけがない。さあ、どうする。
考え込む俺にサクラは何故か満面の笑みを浮かべてきた。可愛い…じゃなくて、何で笑ってんだ?
「サスケ君、今までそんなこと言ってくれたことないから、嬉しくて…」
サクラはそう言ってふわりと笑う。ああ、もう何でこんなに可愛いんだよこいつ。だから他の奴らには渡したくない。サクラを護るためには手段なんて選んでいられない。どんなことをしてでもサクラだけは絶対に渡さない。
だから俺は。今日も明日も明後日も、これから先ずっとサクラを護り続ける。
何でも有りのノールール−−−−−−−−
企画:rendezvous様提出
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