運命の色って、何色だと思う?

▽銀魂:土方×神楽


「運命の糸って、何色なのか知りたいアル」

土砂降りの雨の中、神楽は突然言った。なぜこのタイミングでそんなことを聞くのかと不思議に思ったけど、いちいちそれを聞くのはめんどくさくて。土方は、適当に返事をした。赤じゃねえの?と言えば、神楽はそれは違うアルと神楽は水たまりをジャンプして避けながら言った。普通運命の糸っつったら赤だろと土方は少し困った顔をして言うと神楽は土方を見て一言。

「普通すぎてつまんないアル。どうせならレインボーにしろヨ」
「…何言ってんだ」

神楽が悪戯っぽく笑いながら土方に言うと土方は苦笑した。運命の糸が赤色でなくて虹色だとすれば、それはそれで何だか落ち着かない。そもそも運命の糸を信じていない土方からしてみれば運命の糸の色などどうでもよかった。土方は煙草を吸おうとするが横から神楽が文句を言い始め、土方は動きを止めた。

「私が横にいるのに煙草吸うなんて最低アル」
「そんなの俺の勝手じゃねえか」

舌打ちしながら土方は神楽を見下ろす。神楽は土方の靴を思いっきり踏んでやった。思わず持っていた傘を落としそうになる。神楽はあっかんべーと舌を思い切り出し、傘から飛び出していった。

「あ、おい!風邪ひくだろうが!」
「別にいいアル。煙草の匂いをかぐより風邪ひいた方がまだマシネ!」
「ああ、そうかいそうかい。風邪でもなんでもひけ」

土方はそう言って神楽の横を通り過ぎようとした。だが、神楽より一歩手前に足を踏み出したとき持っていた傘を下に置いて過ぎ去った。マヨラ?と呼びかければ彼は振り向いて少しだけ笑ってみせた。

「女に風邪ひかせるわけにはいかねえからな。やる」
「優しいマヨラ、私好きネ!」

神楽は傘をさして笑った。土方はその笑顔を見て心が何だか温かくなった。少しすると雨はやみ、太陽が顔を出した。綺麗な青い空には、大きな虹がかかっていた。神楽と土方はその虹を見て、吹き出した。


運命の色って、何色だと思う?
title by 待ってて神さま


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