女の子らしい服を全然持ってないの、と言ったリコに黄瀬はオレに選ばせてほしいスとデートの約束を取り付けた。と言ってもリコの方はデートとは思っていないが、黄瀬は休日にリコといられるというだけで幸せで、満足していた。

***

当日約束の20分前に黄瀬は待ち合わせ場所にいた。嬉しすぎて一睡もできず、家にいてもそわそわしてしまい落ち着けなかったからだ。
女子にモテモテで、まったく女子に不自由していない黄瀬がたった一人の女子に振り回されている。こんなことは初めてで、黄瀬自身も驚いていた。

(まさか一人の女の子にこんなに夢中になるなんて…)

だがしかし後悔はしてない。今リコといられる時間が幸せだからだ。リコを待っているこの時間でさえ楽しいと黄瀬は感じている。

「黄瀬君、ごめんなさいね。待たせちゃったかしら…?」

小走りで走ってきたリコに思い切り抱きつき、勢いのまま頬にキスをすればリコは予想通りに黄瀬にパンチを食らわせた。パンッと、気持ちのいい音が響いたと思えば黄瀬の頬は赤く染まっていた。黄瀬は痛々しい赤く染まった頬を嬉しそうに笑いながらおさえる。

「ちょ…黄瀬君ドM?」
「いえ違うスよ!リコさんが好きなだけっス!!」

だからってパンチされて笑顔なんて気持ち悪いわよ、というリコの冷たい言葉も黄瀬には届いておらず、ただ嬉しそうに笑う。リコは一つ大きなため息をついて、目的の店に向かって歩き始めた。


究極のあいらぶゆー!


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