▽志摩視点/生徒×教師設定


最近教育実習生の先生が俺のクラスに、担任の補佐役としてやってきた。年はまだ若く、噂によれば20歳になったばかりらしい。彼氏はもちろんいるやろな。あんなに可愛くて胸も大きいんやし、俺が男だったらほっとかんな。ほっとく男がいたらそいつは絶対おかしい。…俺がもう少し早く出会ってたら、先生と付き合えたんかなあ…なんて、最近はつまらんことも考えるようになった。

「杜山先生ともう少し早く出会いたかった…」
「志摩…もしかしてお前先生のこと好きなんか?」
「…好きや」

坊に毎日のように杜山先生のことを話していたらそう聞かれた。鈍い坊でも流石に気づいたらしい。俺は正直に答えてみれば、坊は小さく一つため息をついただけで何も言わなかった。けど俺には「諦めろ」と言われているように感じた。多分俺のことを思ってあえて何も言わずにいてくれたんやと思うけど、でも、諦めるなんてことできるわけがない。もうそれほどまでに杜山先生のこと好きなんや。

「坊…俺、思い伝えてみるわ」
「…志摩がそう決めたんなら何も言わん。行ってこいや」
「ん。坊、行ってきますわ」

坊に背中を押されるように俺は教室を出た。放課後の廊下は人が全然いなくて、少しさびしい。俺はその廊下を一歩一歩踏みしめて歩いた。杜山先生のいる職員室まで、あと10メートル。深呼吸をして気持ちを落ち着かせるんや、自分。さあ、覚悟決めるんや。

もう職員室は目の前。あと一歩。


進め少年立ち止まるな


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