▽卒業後
付き合い始めたばかりで、まだまだ失敗の連続な来栖翔と七海春歌。今日もまた春歌本人でも驚くほど馬鹿な失敗をした。洗濯ものを室内に干したまま、来栖を部屋に入れてしまったのだ。洗濯ものの中には当たり前のように下着も含まれていたわけだが、気づいたのは来栖が顔を真っ赤にして視線を逸らしたとき。気づくのが遅すぎた。
「あ、きゃ、きゃあっ!」
「ちょ、は、春歌落ち着けって!見てねえから!」
軽くパニックになる春歌を落ち着けようと来栖は咄嗟にはそう言うが、それは明らかに嘘だということがわかる。これほど顔を赤くして見ていないわけがない。春歌は逆に更に恥ずかしくなってきた。
火照る頬を冷ますように手で仰ぎ、それから春歌は急いで干してある洗濯ものをしまった。たたむ時間などあるはずもなくとりあえず別室にそのまま干すことにし、来栖の待つリビングへと急ぐ。その頃には火照っていた頬はもとに戻っていた。
「恥ずかしいところをお見せしちゃいましたね…」
「い、いや、そんな気にすることじゃ…」
「「……………」」
思い出して春歌は顔を赤くしてしまう。春歌がちらりと来栖の方を見れば来栖も思い出したのか顔を赤くして下を向いてしまった。春歌以上に赤く染まっている頬にそっと触れれば来栖はビクリと肩を揺らして春歌から距離をとった。それからものすごく慌て始めて目線をあちこちに動かす。
「わ、わわ、わりい!触られるのが嫌とかじゃなくて!その、な!」
面白いほどの慌てっぷりに春歌は思わず笑ってしまう。けれどあたふたとしている姿はなんだか可愛くて、微笑ましくも見える。クスクスと笑いながら「慌てすぎですよ」と口にすれば来栖もおかしそうに笑いながら言葉を返した。
生まれたてのラブストーリー
(始まったばかりの私たちだからこそ、この先にある未来が待ち遠しい)
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みいな様一周年おめでとうございます。最近うたプリにハマられているとお聞きしたので翔春を(^ω^)これからも応援させて頂きます!!
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