いつものように放課後の教室で音也と春歌は作曲をしていた。すると音也は最近口癖になりつつある、ある言葉を口にした。「肩凝ったなあ」それは最近毎日音也の口から発せられる。音也はその肩こりのせいでまったく眠れず、寝不足続きらしいことを春歌に以前話していた。春歌は音也の体が心配で、時々休憩しましょうと声をかけるが首を縦には振らなかった。

「音也くん、5分でもいいので休憩しましょう」
「ううん、大丈夫。心配してくれてありがとう」

笑って音也は言うが、どうも無理しているような気がする、とそう感じた春歌は音也の肩に手を置き優しく揉み始めた。音也は突然の春歌の行動に驚き、春歌の顔を下から覗き込むようにして見てみると、ニコリと笑うだけで何も口にはしなかった。音也は何か言おうとするが、春歌の一生懸命な姿を見て口を閉じた。

(少しの間春歌の優しさに甘えよう)

それから10分ほど春歌は音也の肩を揉み続けた。10分も続ければ流石に腕に疲れがでる。ふうと思わず息をはいてしまうと、音也が春歌の手に自分の手を重ねて「ありがとう」と言った。

「春歌のおかげですごい楽になった!本当ありがとう!」
「いえ…少しでもお役に立てたなら良かったです」

ふわりと嬉しそうに笑う春歌を見て思わず抱きしめてキスをする。春歌の唇は柔らかくて甘い。その唇を十分に堪能した後、音也は春歌の唇を解放した。春歌の蒸気した頬に優しくキスを落として、今度は腕の中から解放した。春歌は突然のキスの雨に完全に音也を意識してしまい、肩がかちこちになっていた。音也はそんな春歌を見てぶっと吹き出した後、春歌の背後に立った。

「音也くん…?」
「今度は俺の番だね。リラックスさせてあげる」

耳元でそう優しくささやいた後、音也は春歌が自分にしてくれたように肩を揉み始める。あまり上手くはないが、音也の優しさに春歌は小さく笑みをこぼした。


君の癒しになれますように
(あったかくてやわらかい君の肩に初めて触れた)

title by 恋したくなるお題


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