その日もいつものように青葉は東に鞄を持ってもらい、二人で帰っていった。普段あまり喋らない東は青葉相手だとよく喋っており、部員達はその様子をじっと見ていた。女子にモテる東と男子にモテる青葉、二人が並べばとても絵になる。この二人が付き合っているか付き合っていないか、それが非常に気になるのだ。

「あーれはさ、もう付き合ってるよ」
「いやいや、月島ってフレンドリーだからさ。友達みたいな感じだよきっと」

それぞれに予想を立ててみるが、見当などまったくつくはずもなくうーんと再び考え込む。赤石は興味なさそうにため息をつき、ゆっくりと自分のペースで着替えを始める。しかし光は二人のことが気になって仕方ないらしく全く着替えを始めようとはしなかった。赤石は不機嫌な様子の光を見て一言。

「樹多村…顔すごいことになってるぞ」
「…」
「はっはー月島と東が気になるんだろう?そりゃそうだよなーお前の方が先に知り合ったのになー」

千田が笑いながら光の背中をバンバンと叩く。光は気にする様子もなくただ呆然と椅子に座って下を見つめる。赤石はため息をまたつき、光に近づきデコピンを食らわした。

「そんなに気になるんなら追いかけろってんだよ。今ならまだ間に合う」
「…別に気になるなんて一言も…「うるせえ、さっさと行け」

光は赤石の迫力に押され急いで着替えて、結局青葉と東を追いかけて行った。その様子に部員一同はあと安堵して、また喋り始めた。


∵不器用な君の背中を
(俺たちで押してあげよう)




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