なんで、こんな状況になったんだ。頭をフル回転させても答えは見つからなく、ただただあいつを見つめた。

「茂野にもこんな可愛い彼女がいたのか」
「え、い、いやぁ・・・そんな可愛いなんて」

俺の彼女清水薫は、なぜかジュニアと話している。もちろんここはアメリカではなく日本。何故ジュニアがいるんだ?というか、あいつはいつ英語を話せるようになったんだ…。たまには嫉妬してもらいたいという、実はこれは彼女の作戦であったりする。

「どっちから告白したんだ?」
「うーん…一応私から告白しました。あいつ、すっごい鈍感なんで…」
「あぁ、そんな感じがするな」

そう言って、二人は笑いあった。ちょい…あの雰囲気なんだ?い、いい感じじゃねーか…!ふざけんなよ、清水!吾郎は思いっきり睨んでみたが、二人は気づいていない。さっきより盛り上がっている気もする。

「ですよね!あいつ、本当にヘタレで!」
「薫も苦労してるな」

いつのまにか名前呼び!?清水、俺に飽きたとか?確かに、ジュニアは男の俺から見てもイケメンの部類に入る。けど、清水!10年間の想いってそんなに軽いものだったのか!吾郎はキッと睨んで、薫の方に向かって歩き始めた。

「清水!お前は、俺のこと嫌いなのか!」

突然の発言に2人は目を見開いて驚いた。しかしそのあとクスクスと笑い始めた。

「いきなり何を言うかと思えば…」
「本田…ははっ…最高」

薫はお腹をおさえて必死で笑いをおさえようとしていた。

「な、お、俺は本気で怒ってんだぞ!」
「あーごめんごめん。本田にヤキモチ妬いてもらいたくてさ」
「ごめんなさい、そろそろ帰りますね」
「あぁ、気をつけて帰れ」

「ちょっと待て。俺の出番、少なくねーか?」
「気にしない気にしない」


∵彼女の悪戯、彼の勘違い


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