阿部くんはいつも私が困っていると助けてくれるけど、とても不器用な人。あまり笑わなくて、感情が表情に出ない。けれど恋人として接するようになってからは微妙な表情の変化に気づくようになった。みんなは何も変わらない、なんていうけれど私からすれば随分表情もやわらかくなった気がする。

阿部くんは、とってもやさしくて、かっこいい。


「今日はスカートじゃないんだな」
「うん、たまにはショートパンツもいいかなって」

久々のデート、私はいつもはスカートをはいてくるけど今日は違った。いつもと違う服装にしたのは、何となくそうしたかったから。スカートのほうが阿部くんは好きかなって思ったけど、そっちのほうがいいって言ってくれたから安心した。理由は、スカートが風とかで捲れる心配がないからだって。阿部くんらしいよね?そんなとこも、私は好き。

ガタン

「…うひゃっ」
「ちょっ!」

突然バスが揺れ、ヒールだった私はバランスを崩した。倒れる、そう思った瞬間、誰かの腕の中にいた。助けてくれたのは、阿部くん。すごく焦った表情で、私を見下ろしていた。そして次の瞬間、でこピンをされた。

「危ねぇだろ。気をつけろよな?」
「う、うん。ごめんね」

私が謝ると阿部くんはやさしく笑って、謝る必要はないぞって言った。やっぱり阿部くんはやさしくて、かっこいい。


∵やっぱり私は、
(彼にベタ惚れみたいです)


》BACK
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -