「え、ご褒美、ですか」
「そうや、今日の試合勝てたら何かくれん?」
「分かりました。でも、そんなに高いもの買えませんよ?」
桜乃は何にも分かってない、褒美が自分だと言う事に。俺は桜乃さえ傍にいてくれれば何もいらない、大金が手に入る代わりに桜乃を手放せって言われたら絶対その話は断る。俺には桜乃以上に大切なものはないんや。桜乃は俺の気持ちに答えようとしてくれているのは分かるけど、行動してくれない。だからや、ご褒美が欲しいと言ったのは。
「あ、買わんでええねん。俺が欲しいものはどんなに大金でも買えんものやから」
「あ、そうですか?じゃあ、今日の練習頑張ってくださいね!」
「おおきに」
桜乃はいつものように笑顔で俺を見送ってくれた。それだけで十分や。俺も笑顔でこたえて、手を振る。俺は、前を向いて気合を入れた。
「よしっ!やるで!」
「お疲れ様です、白石さん!」
「桜乃、見ててくれたん?」
「当たり前です!大好きな白石さんの試合ですから!」
にこと彼女は笑って言ってくれたんや。それに大好き、と可愛い声で言われて嬉しくないはずがない。もうこれがご褒美でもいいくらいや。可愛い桜乃からのプレゼントは、大切に心にしまっておくことにした。
「桜乃、おおきにな」
「あ、え、はい!」
∵ご褒美=(イコール)君
(あれ、白石さんご褒美は?)
(もうもらったから気にしないでええよ)
title by 恋したくなるお題様
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