その子を見た瞬間、恋に落ちる音がした気がした。
「もう落ちたもの食べちゃ駄目ですよ?もし会えるならちゃんと作ってきますから」
「うん!楽しみにしとるで姉ちゃん!」
金ちゃんと話している女の子。その子は竜崎先生のお孫さんで青学の1年生。笑顔がとても可愛い子で、思ったことがすぐに表情に出るのも愛らしい。
「じゃあ、またね金太郎くん」
「まーたなー!」
金ちゃんは元気に手を振ってその子を見送った。すごく微笑ましい光景なんやけど、なぜか胸が苦しい。あの子が遠くに行くほど苦しくなる。
「白石?どうしたん?なーしーらーいーしー?」
あかん…金ちゃん何喋っとるかわからん。あの子が…竜崎さんのことが頭から離れん。今、勇気出さないでどうするん?今、話しかけないでどうするん?今…今しかない!
「竜崎さん!」
「え?」
「これ、俺のメアドとケー番書いてあるんや」
「あ、わ、私にですか?」
「そうや。ほな、メール…待っとるから」
だ、第一段階はクリア!大変なのはこれからやな…。
***
「いい湯加減だったな…あ、白石さんにメールしないと」
でも…私なんかにどうしてメアドを…?白石さんならもっと可愛い子とメル友になれるのに…。
「あーもう!悩んでも仕方ないよね!とりあえずメール!」
∵親指から始まるらぶげーむ
(メ、メール送るのってこんなに緊張したっけ…?)
》BACK