離しはしない、絶対に。お前は俺のものだから。
「跡部ー」
「あぁ?何だ」
今日の跡部は機嫌がものすごく悪かった。だが忍足はあえて軽く話しかけた。
「今日は桜乃ちゃんは来ないんか?」
跡部は一瞬顔を引きつらせたが、すぐに元の表情に戻すと答えた。
「あぁ、手塚たちの応援だと」
「……」
(跡部の機嫌が悪い理由はやっぱり桜乃ちゃん絡みやったんか…)
「そんな顔するんやったら、迎えに行ったらええやん」
「何のことだ」
「景ちゃんってば、無理しなくてええやん」
跡部は舌打ちをすると、スッと立ち上がり日誌を乱暴に机に置いた。そして忍足のほうをキッと睨みながら言った。
「確かボール足りないと言ってたな。俺様がじきじきに買出しに行ってやる」
「はいはい」
(ほんま、意地っ張りなんやから)
跡部が桜乃を抱きしめてそれを目にした青学R陣たちが驚愕するまであと数十分。
∵意地っ張りな帝王様
(桜乃!)
(え!跡部さん?!)
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