!注意→沖千斎が一緒に住んでる設定



いつものように、千鶴が作った朝食を三人で食べていたときのことだ。沖田が突然何かを思い出したかのようにあ、と声を漏らす。千鶴と斎藤は一旦箸を止めて沖田の方を見て、様子をうかがう。沖田はそんな二人にニヤリと何か悪巧みでもしているかのような笑みを浮かべてこう言った。

「今日王様ゲームするから、罰ゲームの準備とかよろしくね」

もう何年も一緒に住んでいると、沖田のわがままには慣れてしまうようだ。千鶴と斎藤は特に驚きもせず、一つ返事でそれを承諾した。沖田の突然の思い付きで二人が迷惑するのは珍しくはない。
千鶴と斎藤は楽しそうに笑う沖田とは裏腹に、朝食を終えた後慌ただしく準備を始めた。

***

「王様ゲームを3人でやってもつまんないから、土方さん達も呼んじゃった」
「…お前達も大変だな。沖田のワガママに付き合わされて」

星がつきそうなほど楽しそうに喋る沖田とは正反対の様子の土方は、「こんな暑い中くだらない理由で呼び出すなんていい度胸だ」と毒づいている。そして沖田の世話係になりつつある千鶴と斎藤に労いの言葉をかけた。その横では沖田がそこまで言わなくても、なんて文句を言っていた。千鶴と斎藤はまるでコントのような二人の掛け合いを楽しそうに眺めた後、土方達を居間に案内した。

そして休む間もなく始まった王様ゲーム。最初の王様は、今回の王様ゲームを始める発端となった人物の沖田だ。

「んー…じゃあ、3番が5番の足を舐める」
「総司ちょっと待った!!初めっからそれはディープすぎんだろ!」
「え、そう?」

楽しそうに命令を下した沖田に藤堂は顔を真っ赤にして反論する。だが沖田はただ楽しそうに笑って、早くやってよと3番と5番の割り箸を引いた人物を急かすだけ。藤堂は3番と書かれた割り箸を握りしめて、反論を続けた。女子が千鶴一人しかいない状況で王様ゲームなどしたら悲惨な結果になることは分かっているのだ。
ということは5番が男子である確率は限りなく高い、つまりは藤堂が男の足を舐める確率が高くなるということである。

「俺は絶対やんねえからな!」
「ふーん。相手が千鶴ちゃんでも?」
「え、いや、この割合で千鶴が当たる確率は…」
「勿体ないことしたねー。だって千鶴ちゃん、5番でしょ?」

沖田が鋭い視線で千鶴を見れば、千鶴は静かにコクリと頷く。どうして千鶴が5番だと分かったのか。藤堂は恐る恐る沖田の方を振り返ると、沖田は恐ろしいほどの笑顔を向けてこう口にした。

「3番の権利放棄したなら、僕が代わりにやってもいいよね」

ものすごい威圧感に藤堂を含め、全員が言葉を失った。足を舐められる側である千鶴も恐怖のあまりに口が開かない。誰もがその瞬間、本当に王様には逆らえないものだと実感したそうだ。


キングに逆らってはいけません

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▽10万打:麻弥さん
リクエストありがとうございました。
(120817)



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