イナズマジャパンとそれなりに交流があるフィディオ・アルデナ。何度か円堂に会いに来た彼が夏未と仲良くなることは基山にとっては想定外の出来事だった。

マネージャーである夏未はいつも秋や春奈とともに部員の一歩後ろで彼らの様子を見ている。その為、フィディオとの接触は全く考えられなかった。だが今日たまたま、偶然に偶然が重なりフィディオと夏未は接触してしまったのだ。一言言葉を交わすぐらいなら、基山も文句はない。しかし随分と長い間話をしていれば、気にもなるし、苛立ちもする。現在進行形で二人の立ち話は続いているなら、尚更である。しかもそれだけでは終わらず、隣に立つ吹雪が楽しそうに言った言葉が基山に追い打ちをかけた。

「夏未さんと彼、いい雰囲気だね。基山君?」

のほほんとそう言う吹雪とは正反対で、基山の心情は穏やかではない。胸に渦巻く黒い感情を抑えるのに必死で、ほかの事は何も考えられなくなっていた。だが視線はしっかりとフィディオに向いている。だが肝心の本人は自分に向けられている鋭い視線には気づいていないようだった。

***

「夏未さん、俺が怒ってる理由分かる?」
「いいえ、分からないわ」

夏未の背には壁、どこにも逃げ場がない夏未にいつもより少し低めの声で問いただすが、夏未はきょとんした様子で首を傾げる余裕さ。それに苛立った基山は夏未から無理やり唇を奪った。苦しそうな表情の夏未を気にもせず、貪るようなキスをした。夏未は息が上手くできずに必死に基山の唇から逃れようとする。だが女性とは違って大きくて少し骨ばった基山の手が胸に触れた途端、夏未はおとなしくなった。

「夏未さんの胸、すごく柔らかいね」
「やめ、なさい…っ」
「そんなこと言うなら、こっち触るよ?」

意地悪な笑顔を浮かべながらそう言うと下半身にゆっくりと手を伸ばした。スカートに手を入れて下着の上からそっと割れ目に沿って指でなぞり上げるように触ると夏未はぶるぶると震えた。初めての感覚にどうしていいか分からず涙目にもなっている。基山はそんな夏未の表情を見て満足そうに笑い、涙を舌で舐め取って言った。

「ごめんね、夏未さん。俺嫉妬深いんだ」

それを聞いた夏未は納得したように微笑んだ後、「私にはアナタだけよ」と囁いた。


愛情イコール毒と麻痺

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花火ちゃんからのリクエストでした。基夏で嫉妬ネタって聞いたとき、私に書けるかなってめっちゃ不安でしたが何とか形になりました、ぬるい裏になってしまったけど、そこはまあユキクオリティってことで!笑 リクエストありがとうございました!
(120226)


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