「あれ?桜乃ちゃん?」
「あ、千石さん?」

偶然、街中で出会った彼女は青学の監督の孫の桜乃ちゃん。今まで俺が絡んできた女子とは違うタイプの女の子で、いつのまにか好きになっていた。いつも一生懸命で、越前とか言う男に憧れている。彼女が動く度に揺れるみつあみを、大会があるたびに探している自分がいた。毎回応援に来ているとも限らないのに…。でも、少しでも可能性があるなら探したい、そう思っちゃうんだよね。んで、今回はラッキーなことに街中で会うことができたわけ。これは神様がくれたチャンスなんだ、きっと。これを逃したら、この先後悔ばかりする。そう思って、声をかけた。

「偶然ですね。今日はお買い物ですか?」
「うん、そうだよ。桜乃ちゃんも、お買い物?」
「はい!おばあちゃんに頼まれたんです」

そう言って笑う桜乃ちゃんは可愛い、冗談抜きで本気で可愛くて。もう…まぶしいくらいに可愛い笑顔。あの監督と同じ血が流れてるなんて、本当信じられないよ。まあ、監督のおかげでこうして桜乃ちゃんと会えたわけだし感謝しないと。

「じゃあ買い物、一緒に行こうか」
「え、千石さんも同じところに行くんですか?」
「んー…俺は目的があってここに来たわけじゃないし。暇なんだよね」

と言ってみるけど、実は俺も南におつかいを頼まれていたりする。でも今は桜乃ちゃんと二人きりでいれるわけだし、そっちを優先しちゃってもいいでしょ?南には悪いけど、やっぱり桜乃ちゃんともっと一緒にいたい。可愛い笑顔をもっと俺に見せて欲しい。

「じゃあ、一緒に行きましょうか」
「ありがと桜乃ちゃん」

俺の方を見て、にっこり笑う桜乃ちゃん。うん、やっぱり可愛い。いつか、この笑顔は俺だけのものに。


A pretty smile

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▽10万打:samonさん
リクエストありがとうございました。



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