!新婚設定・「春ちゃん」「勇くん」呼び



結婚して数か月、ようやく新婚生活に慣れてきたときに春ちゃんが倒れた。病院に連れて行けば、医者は過労だからしばらく安静にしていれば大丈夫と言った。春ちゃんは僕の顔を見るなり「心配かけてごめんね」と自分の心配より、僕に迷惑をかけたと思って謝ってきた。迷惑なわけないのに、自分のお嫁さんのことならどんなことも迷惑だとは思わない。けど春ちゃんは僕に迷惑をかけることが嫌なようだ。

「僕は春ちゃんにとって何?」
「え、」
「頼りないかもしれないけど、夫なんだよ。だから、もっと頼ってほしい」

僕の言葉を聞くなり春ちゃんは診察台から思い切り立ち上がり抱きついてきた。突然のことで何の準備もしていなかった僕はよろけてそのまま病院の診察台に倒れこんだ。春ちゃんを庇うようにして倒れたつもりだったけど、結果春ちゃんを押し倒すような体勢になってしまっている。慌てて起き上がろうとした僕を、春ちゃんは服の裾を引っ張って起き上がるのを阻止した。首を傾げて下にいる春ちゃんを見つめれば、にこりと笑って、顔を近づけてきた。どうしたの、と言葉を発する前に春ちゃんの唇が僕の唇に重なっていた。

「春、ちゃん?」
「勇くん、ありがとう…。私、すごく嬉しい」

キスのあとそう口にした春ちゃんはすごく可愛くて、思わず僕は今日二度目のキスをした。春ちゃんは驚いたように口をポカンと開けていたけど、それがまた可愛くて、僕は春ちゃんにバレないように小さく笑った。けれど僕も人のこと言えないくらいに顔が赤いだろう。


世界一甘いキス、かはわからないけど
(世界一幸せなのは僕だろう)

title by 31D

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▽20万打:やっちゃんさん
リクエストありがとうございました。
(120110)



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