リコさんは、オレのことを最初はスパイか何かだと思っていて、いい顔をしてくれなかったけど、今では笑顔でオレを迎えてくれる。オレはそれだけでも幸せだったんだ。もうそれ以上何も望まなければ良かった。けど、望んでしまった。

望んでしまったらあとは感情のままに動くだけだった。会いたい、と思ったら会いに行く。想いを伝えたくなったら伝えに行く。抱きしめたいと思ったら抱きしめる。キスしたいと思ったら、キスをする。リコさんはその度に頬を薄く染めてオレを見つめてきた。可愛くて可愛くてたまらなくて、抱きしめる腕につい力を入れてしまって、リコさんはすごい痛がるけど表情は笑顔で。それがまた愛しくてオレは笑顔のリコさんにキスをする。そしてリコさんはもっと頬を染めてオレの胸に顔を押しつけて顔を隠してしまう。本当に可愛い。

けど、リコさんはオレがどんなにリコさんを思っているのか分かっていない。オレがいるときでも、平気な顔して他の男の名を呼び捨てにする。無防備にあの可愛い笑顔を向ける。オレじゃない、他の男に。嫉妬がどんなに見苦しいものかは分かっている、分かっているけどどうしようもないだろ。こんなに好きだから、嫉妬する。当たり前のことだ。だから、オレが我慢できなくなって押し倒しちゃったこの状況も、ありえる話。

「き、せ君?」

いまいち状況を飲み込めていないリコさんは、跨っているオレを不思議そうに見つめていた。本当に鈍感だ。こんな状況でもリコさんはケロッとしている。状況を理解していないだけか。だったら、

「ひっあ、き、せくっ」

Yシャツを脱がして下着を無理矢理剥ぎ取ると、リコさんは驚いて声を上げる。やっとオレが押し倒した目的に気づいたらしく、抵抗を始めた。けど、いくらカントクをやってると言っても女の子であることには変わりはない。リコさんは女の子、オレは男。力の差は歴然だ。俺は思い切り力を入れて、リコさんの両手首を押さえつけて、外気に触れて硬くなった胸の突起を口に含む。可愛いピンク色をしたそれを優しく舐め上げればリコさんは甘い声を漏らして、体を震わせる。もう既に顔を真っ赤にして、瞳を潤ませるリコさんは色っぽくて、思わずドキリとする。その顔だけでオレの下半身は熱くなってきて、疼く。既に昂ぶっているオレのコレは、リコさんの中に入りたいとオレに主張している。けど、そんなことをしたらリコさんが痛みしか感じられない。リコさんにはオレと一緒に気持ちよくなってほしい。だから、もう少し我慢。

「も、うっ、やめ、て…?」
「…それは駄目スよ。リコさんを抱くまで放さないスから」

リコさんが気持ちよくなるまで、オレは放しはしない。だから、オレの腕の中で可愛く鳴いて下さい。リコさん。


望まなければよかった

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▽20万打:りゅうさん
リクエストありがとうございました。
(111018)



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