賑わう屋台の前を足早に通り過ぎる男、黒崎一護。彼は今、一つのピンチに直面していた。彼は彼女である井上織姫と些細なことで言い争いをして、織姫が泣いてどこかへ行ってしまったのだ。最初こそは、勝手にしろ、とほっとくつもりだったのだがだんだんと不安になって電話で謝ろうと彼女の携帯に電話をしたところ、複数の男にからまれているらしく彼女以外の声が聞こえた。そして彼女は涙声で「助けて」と口にした。その瞬間走り出した一護だが、この人ごみの中どうやって見つけるかを全く考えていない。ただ闇雲に探しても時間の無駄である、一護は一度人ごみから外れた場所に移動し、それから死神の力を使って空中から探そうと考えた。しかし、その必要はなかった。

「…め…くださいっ!」

聞きなれた声。彼女の声であることが一護には一瞬で分かった。草が生い茂る神社の裏へ移動すれば織姫が3人の男に囲まれていた。織姫の腕をつかんで強引にどこかへ連れて行こうとする男の腕を掴み思い切り睨めば、男たちは一目散に逃げていった。

「井上っ、心配したんだぞ!もし俺が来るのが少しでも遅かったらお前、…っ」

言っている途中で涙がこぼれそうになる一護。それは、織姫を本気で心配している証拠でもあった。織姫も恐怖と一護が助けに来てくれた嬉しさとで、涙をボロボロとこぼした。一護は泣き崩れる織姫を優しく抱きしめて、耳元で「おかえり」とささやいた。織姫はきれいな泣き顔を一護に向け、そして「ただいま」と返した。だが織姫はこの後一護の口にした言葉に驚愕することになる。


「…さて、と。危険なことをした井上さんにお仕置きタイムだな」
「お、しおき?」
「そ、とっても恥ずかしいお仕置きな」

織姫が一護の腕から逃げ出す前に、一護は織姫が逃げ出さないように壁に追い込んで左手で織姫の両腕を拘束した。そして残った右手を浴衣の裾からいれて、下着の上から指をこすりつけると織姫はビクッと体を揺らして、瞳を潤ませて声をあげた。口では「駄目」と一護に訴えるが、体は素直なためどんどん濡れてきて、下着に染みを作った。一護がこするたびに濡れていく織姫の秘部。恥ずかしくて一護を見れずにいる織姫を見て一護は小さく笑って、無理やり自分の方を向かせると薄桃のやわらかそうな唇に自分の唇を重ねた。

「…井上、やらしい顔」
「馬鹿…黒崎君のせいだもん」
「そうかもな。けど、今の井上もすげえ可愛い」

にやりと笑ってそう言った一護はそれからもう一度織姫の唇を奪った。唇から織姫の熱を奪うかのように深い、そして甘いキスだった。


深くて甘い、あなたのキス

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▽20万打:まーとぅんさん
リクエストありがとうございました。
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