彼はまるで獣のようだと思った。鋭い視線。まるで獲物をいつも探しているよう。あの瞳に捕らえられたら絶対に逃げられない。だから目を合わせてはいけない。捕まってしまう。けどそれだけで逃げられるほど彼は優しくはなかった。

「何するんですか」
「何って、あんた状況分かってる?」
「分かってます。押し倒されているんですよね私」

私の言葉に不動君は馬鹿にしたように笑って「その通り」と言った。このときも不動君の瞳は鋭く光っていて、私は捕らえられた獲物のような気分になる。簡単には逃げられそうにない。吸い込まれそうになるほど、鋭く光り、私をまっすぐ見つめる瞳に気をとられて、私は一瞬隙を作ってしまた。ほんの一瞬。その隙をついて不動君は私の唇を奪った。

「ん、ぅ、っ。んあ、ふどうくっ…」
「大人しくしろ。俺の邪魔をすんな」
「いやですっ!やめっ、んっ」

不動君は私の言葉を聞く気は全くなくて、最後まで言う前にもう一度私の唇を奪った。荒々しい強引なキス。獣が捕らえた獲物を鋭い歯で食いちぎるように何度も何度も私の唇を重ねた。そのうちに唇に飽きたのか首筋や鎖骨にキスをしてきた。抵抗しようにも力が入らない。そもそも捕らえられた時点で私に逃げ道なんてなかったのかもしれない。ぼんやりそんなことを考えているうちに何時の間にか不動君は私の制服を脱がして下着に手をかけていた。器用にブラのホックをはずす。

「へぇ…けっこういい体してんじゃん」
「やめてください!」
「やめてなんて言われてやめるわけねえだろ」

そう言って鋭く瞳を光らせた不動君は憎たらしい笑みを浮かべてそう言って私の胸に獣のように噛みついた。


彼は獣のように噛みついた

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▽20万打:黒狐さん
リクエストありがとうございました。
(110828)



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