!R15注意



私の服を全てはぎとり、冷たく鋭い瞳で私を見下ろす栄口君に私は恐れを抱いた。あんなに優しかった彼がどうしてこうなったのかは私には分からない。本当に突然の出来事で、私はただ「どうして」としか呟くことができなかった。その呟きにさえ栄口君は答えてはくれずに、ただ微笑んだ。その微笑さえ、今はただ恐ろしい。口を開いた栄口君は私に「大好き」とだけ言って、首元に噛み付くようにキスをしてきた。ちゅと軽くリップ音が聞こえて、恥ずかしさのあまりに目をつぶった。そしたらその隙を狙っていたのか、すかさず唇を奪われた。私はとっさに上げた右手で栄口君の頬を思い切りぶっていた。

「…ははっ。やっぱり篠岡はこうでなくちゃね、大人しくしているだけの篠岡なんて面白くないから」
「な、に、言ってる、の?」
「潤んだ瞳を見たら思わずいじめたくなっちゃうよ、俺の手でめちゃくちゃにしたくなる」

怖い言葉が聞こえたような気がした。さっきまで我慢していた涙はもう我慢できずに、ボロボロとこぼれた。その涙を見て栄口君は更に嬉しそうに笑う。もうわけが分からない。考える力なんて、もう何も残っていない。私の今の頭の中は栄口君に対する恐怖心でいっぱいだ。怖い、怖いよ。いつもの栄口君に戻って、お願い。

「泣き顔もかわいい。もっと、見せて」
「いや、だよ…いつもの栄口くんに戻って!」
「何言ってるの?いつもの俺だよ」

そう言って微笑む栄口君だけど、いつもの優しい笑顔とは違う。何か黒いものが混じっているような気がした。顔を歪める私を見て「篠岡笑って」と言った栄口君は突然私の胸をもんだ、抵抗する暇さえなかった。栄口君は何故か嬉しそうに笑いながら私のもう片方の胸の突起を舐めた。気持ちよさも何も感じない。否、感じたくなかった。私は心を殺して、その行為が終わるときを待っていた。


心を殺したわたしと残酷なあなた

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▽20万打:あきゅさん
リクエストありがとうございました。
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