!R15注意



高校生活で最大の行事と言えば、修学旅行。聖秀高校も今日から5日間の日程で修学旅行に行く。その間はもちろん部活は1、2年生で行うことになるわけだが、野球一筋の茂野吾郎にとっては拷問以外の何でもないのだ。飛行機に乗ってもいつまで経っても文句を言っている吾郎に、隣の席の薫は「うるさい」と一喝する。すると吾郎はおとなしくなった。どうやら恋人である薫には頭が上がらないようだった。この二人のやり取りを見てクラスメイト達はクスリと笑った。

***

「眠れない…何か買って飲もうかな」

中々寝付けない薫は起き上がり、そっと部屋を出る。自販機があるロビーに行くと一人の男子生徒の姿が見えた。近づいて確認するとそれは吾郎だった。彼も寝付けないのかジュースを飲みながらボーっとソファに腰かけていた。後ろから目を隠すと、彼は驚いて大きな声をあげた。薫はその声の大きさに驚きながらも、吾郎の驚きっぷりに笑う。

「んだよ、清水かよ。驚かすなっつの」
「お前があんまりボーッとしてるから…ははっ、つい、やばいツボった」

今もまだ腹を抱えて笑う薫に吾郎は少しあきれる。けれどすぐに笑いは収まり、吾郎は薫に横に座るようにソファをポンポンとたたいた。薫をよこに座らせると、突然吾郎は静かになった。薫の、湯上り、とまではいかないが仄かに香るシャンプーの匂いや少し肌蹴た着物にドキリとしたのだ。突然薫が女であることを思い知らされる。今まで幼馴染という関係が抜け切れていなかったが、このとき自分たちがただの幼馴染ではなく恋人同士であるということしか頭にはなかった。

「清水…」
「本田?…んぅ、っ?!」

気づけば唇を重ねていた。初めて重ねた薫の唇はやわらかく甘かった。突然唇を奪われた薫は呆然としている。吾郎はその顔を見て小さく笑ってまた唇を重ねた。いつ誰に見られるか分からないロビーでこんなことをするのはどうかと思ったが、もう止めることはできない。理性はもう残っていない。吾郎は薫の胸を着物の上から優しくもむ。

「んっ」
「あ、わりい…痛かったか?」
「大、丈夫、だからやめないで、」

初めて聞く薫の甘い声、そしてその声でおねだりされたらもう止まらない。ゆっくり下半身に手を伸ばして着物の裾から手を入れる。そして下着をやさしくこするとだんだん濡れてきたのが分かった。吾郎の着物をぎゅっと握りしめて、声を我慢する薫。頬は赤く染まり、瞳は潤んでいる。そんな瞳にキスをして、瞳から唇、首、鎖骨とキスをしていくと、誰かの足音が近づいてきた。二人は急いで離れて、その足音の人物を待つ。すると、担任が寝ぼけた顔で現れた。

「何してんだお前ら」
「あー…寝れなくて、少しここで話をしてたんです」
「そうか、そろそろ寝ろよ」
「「はーい」」

寝ぼけているのか、とくにお咎めなしで担任は去っていく。二人はドキドキしながら通り過ぎるのを見ていた。そして通り過ぎたのを確認して小さく笑った。

(続きは、)


この印が消える頃にでもしようか

title by 確かに恋だった

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▽15万打:茜さん
リクエストありがとうございました!
(110820)



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