!浮竹さん⇔織姫呼び・浮竹のキャラが迷子状態



彼女と俺は周りから見ると「ラブラブでほのぼのカップル」らしい。確かに口付けを交わした回数も指で数えられる程度。抱きしめることだって、たまにするくらいで、今までを思い返してみれば驚くほど清いお付き合いをしている。それが悪いことではない、むしろ彼女のためにはいいのかもしれないが、あまりにも彼女は無防備で無自覚に俺を誘惑してくる。いや、俺がそういう目で見てしまうのが駄目なんだ。

***

「浮竹さん、こんにちは。上がってもいいですか?」
「ああ、君か。いらっしゃい、よく来たね」

いつものように元気に現れた彼女はにこりと微笑み、俺の前に腰を下ろした。服装は今日は、短いヒラヒラした、現世ではスカートと言うらしいものをはいていた。現世ではこれくらい普通だと彼女は笑って言うが俺からして見れば普通どころではない、短すぎる。視界には彼女の白い脚しか入らない。駄目だ、見てはいけない。彼女を、見てはいけない。心では分かっているはずなのに、体は言うことを聞いてくれない。

「浮竹、さ、…んぅ、ふっ」
「すまない…、もう一度してもいいだろうか…?」
「…はい」

気づけば彼女の唇を奪っていた。彼女の唇は想像以上にやわらかくて甘い。突然口付けてしまったというのに彼女は愛らしい笑顔を浮かべて俺を見つめてきた。何て愛らしいのだろう。彼女は時々驚くほど大人びた表情を見せることがある。しかしそれは一瞬で、数秒もすれば下の愛らしい笑顔に戻っているのだ。くるくる変わる表情で俺を振り回す彼女が、どうしようもないくらい愛しいのだ。

「浮竹さんのキス、私、好きです…」
「、お、りひめっ」

にこりと可愛く笑う彼女を思わず抱きしめて、先ほどより深い口付けをする。口付けをしているときの彼女の表情は、普段とはまったく違うものだ。色っぽさを感じさせる表情を見せてくる。その表情に欲情しそうになるが、必死で耐える。彼女はまだ子供なんだから、と言い聞かせて。

「織姫は、俺をこんなに夢中にさせてどうするつもりだい?」
「…え?」

独り言はやはり彼女の耳には届いておらず、不思議そうに首をかしげるだけだた。そんな彼女に俺は微笑んで、「なんでもないよ」と返事をした。


君が大人になるまでは
(俺は彼女が大人になるまで我慢できるだろうか)

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▽15万打:雑穀米さん
リクエストありがとうございました。
(110819)



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