!注意・幼児化



とある小さな幼稚園には、とてもモテる一人の園児がいた。可愛らしいクリクリの瞳に、白い肌、ぷにぷにと柔らかそうな頬に、唇。そして、ただ可愛いだけじゃなく、運動もできる女の子。名前は青葉。男子にも女子にも人気があった。彼女をめぐって毎日のように、争奪戦がおきる。今日も、ほらもう始まっている。

「あおばちゃんは、ぼくとあそぶの!」
「…ちがう、つきしまはおれときゃっちぼーるをするんだ」
「あおばはおれとあそぶんだ!」

主に中心となっているのは、朝見と東と樹多村という3人の園児。いつも先生が止めに入るまで、延々と争いを続けている。だが、争いの原因となっている青葉は無関心で、止めようともしない。本人はただ、ボール遊びができる相手なら誰でもいいようだった。だから、たとえボールをうまく投げられない園児でも、楽しければいいのだ。

「あおば、いまからおれとあそぼう!」
「いや。こうは、へたくそだから。あそぶなら、あずまくんがいい」
「なら、いまからそとへいくか?」
「うん!」

仲良く手を繋いで外へ行く東と青葉。そんな二人を遠くから眺めているなんてできるはずもなく、樹多村は走り出した。その横を朝見が走っている。彼も同じことを考えているようだった。二人がの間に割り込み、キャッチボールの邪魔をする。

「なにするんだ?」
「おれもあおばとあそぶ!」
「…こうはあさみくんとあそべばいいでしょ?」

青葉にそう言われた二人は今にも泣きそうな表情になって、それから黙ってしまった。東と青葉ははあとため息をついて、それから言った。

「じゃあ、みんなであそぼう?」
「「…っうん!」」

それから4人でボールを投げあった。今まで、2人だけで投げ合ったことしかなかった青葉は初めての体験にドキドキした。みんなで遊ぶことがこんなにも楽しいことだと、初めて知った。

そして、数十年後、彼女は野球少女になる。


たとえば、こんな日常どうですか

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▽15万打:ミロさん
リクエストありがとうございました。
(110728)



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