▽高校生/夏休みに帰省/冬花視点

彼の故郷には綺麗な海が広がっていた。二人で歩く砂浜は暖かくて、何故か心がほっとした。繋がれた手からは彼の体温が直接伝わってきて、ドキドキする。骨ばった手は、改めて彼が男性であることを意識させた。隣を歩く彼の名をゆっくりと呼べば、彼はふわっと大きく笑って私を見た。

「海綺麗ですね」
「そうだろ?俺の自慢の海だからなあ」

そう言って嬉しそうに海を見た。ああ本当に海が好きなんだと思った。海が大好きな彼は、私と故郷に帰ってきてから毎日のように海でサーフィンをしている。彼と一緒に居られる時間が減ってしまうのは残念だけれど、彼の笑顔を見られることが嬉しい。彼が好きだから、彼には好きなことをして欲しいと思っている。
それに、彼がサーフィンをしている姿を見るのは嫌いじゃない。思わずやりたくなってしまうほど楽しそうに彼はサーフィンをしているから。

「私にもサーフィンできるでしょうか」
「できるできる!俺が教えれば絶対にできるようになる!」
「ふふっ…自信満々ですね」

彼は自信満々にそう言った。思わず笑ってしまったけれど不思議と、彼が教えてくれるなら出来るような気がする。やってみようかな、と思ったとき突然彼は大きな声を出した。どうしたのと尋ねてみれば彼は顔を真っ青にしてこう言った。

「…俺以外の男に水着姿見せて欲しくない」

言った後に困ったように私を見た。彼らしくもない独占欲。でも、すごく嬉しくて、私は笑っていた。


夏の砂浜で青春してます


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