▽高校生設定

雷門中学を卒業後、狩屋と葵はそれぞれ別の高校へと進んだ。狩屋は全寮制の男子校へ、葵は女子校へ。それほど離れていない場所に二つの高校は経っている為に、放課後は毎日会うことができている。
基本的に葵の高校の校門前が集合場所だ。毎日狩屋は「誰かの彼氏かな?」「羨ましい〜」という女の子達の会話を耳にしながら恥ずかしそうに葵が現れるのを待っているのだ。希に委員会などで葵が遅れることがあると話しかけられることもある。その度に「悪いけど彼女待ってるから」と断っているがたまに引き下がらない女子もいる。強引な子だといきなり手を握り歩き出すほどだ。葵にこのことを言えば不安にしてしまうのは分かっているのでこのことは秘密にしているが。

委員会に出ていて遅くなったらしい葵が校舎から走ってくるのが見えて狩屋は少しホッとしたように笑った。着いてすぐに息を切らしながら喋る葵に無理しなくていいからとゆっくりしゃべるように促す狩屋に申し訳なさそうに微笑んで葵はある程度落ち着いてから口を開いた。

「ごめん狩屋君!委員会で遅くなっちゃって…待ったよね?」
「いや、大丈夫。空野さんは仕事して遅くなったんだから謝らないでよ。それよりお疲れ様」

葵を責めるわけでもなく優しく言葉を返す狩屋に葵は「早く会いたくていつもより張り切っちゃった」と恥ずかしそうに笑う。その言葉に一瞬で狩屋の顔は赤く染まり、何言ってんだよと彼の視線はどこか違うところを向いてしまった。そんな相変わらず照れ屋な狩屋を見て葵は嬉しくなり彼にバレないように小さく微笑んだ。

「それじゃあ今日はどこへ行こっか?」
「…空野さんが行きたがってたケーキバイキングの割引券持ってるんだけど」
「え!!!行きたい!!!」

カバンのサブポケットから取り出した割引券をヒラリと見せながらイタズラに微笑む狩屋。葵は目を輝かせてケーキバイキングの言葉に食いついた。想像通りの反応に狩屋は満足そうに頷く。

「ケーキバイキングに決定だね」
「うん!!ほら早く行かなくちゃ種類がどんどん減ってっちゃうよ!!」

狩屋の腕を勢いよく掴み、そして元気に走り出した葵。嬉しそうに笑って走る葵の横顔をこっそりと盗み見ながら、ケーキをおいしそうに頬張る葵を想像して狩屋は葵以上の笑顔を見せた。


君の笑顔を生み出すのは俺
(きっとそれができるのは、これから先も俺ただ一人)

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復活感謝企画。ひまわりさんリクエスト。
リクエストありがとうございました。


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