sss | ナノ


▼ 三橋と篠岡

西浦野球部にとって色んな意味で熱かった夏が過ぎ冬がやってきた。

「本格的に寒くなってきたね」

極端な温度変化に体が適応できず体調不良になりベンチで練習を見学していた三橋にマネージャーの篠岡が話しかける。突然話しかけられた為にすぐに反応が出来ずに発する言葉を探して慌てる三橋に篠岡は笑って「ゆっくりで大丈夫だよー」と追加すると三橋はふにゃあっと安心したような表情を浮かべた。

「う、ん!さむ、く、なってきた、ね!」
「三橋君は冬好き?私は冬好きなんだー!」

篠岡の言葉に三橋は俺も、と言うようにうんうんと頷く。篠岡は三橋の同意に笑顔を浮かべてまた視線をグラウンドへと向けた。部員が声を張り上げる度に白い白い息が宙に現れる。それこそ本格的に冬を迎えた証拠であるが、何故か寒くない。
それは多分大切な誰かと一緒にいるからだと篠岡は思う。大切な人と一緒にいるだけで温かい気持ちになれる。とても幸せなことだ。今篠岡の隣には三橋が座っている。

(きっと、三橋君が隣にいるから、あったかいんだね…)


まるでホッカイロのような君

−−−−−−−
初めてアンケートでみはちよというリクエストを頂きました!何だか新鮮で楽しかったです。



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -