▼ カカシとサクラ
》カカシ視点
先生先生、と俺のあとを可愛くついて回っていた小さな女の子はいつの間にか別の男の背中を追うようになっていた。俺に対して持っていた感情とはまた別の感情をその男に持つようになり、彼女は俺からどんどん離れていってしまった。恋をすると女の子という生き物はこんなにも急に綺麗になってしまうのか。
あの日の彼女はもうどこにもいないと思うと何だか悲しくてつい他の男のもとへ行こうとする彼女を引き止めてしまう。
「なあにせんせー?サスケ君行っちゃうじゃない!」
サスケの背中をチラチラと盗み見ながら口にするサクラを見たら余計に寂しくなる。
「あー悪いサクラ。何でもないよ」
ヘラヘラと笑って誤魔化す俺の腹を思い切りパンチしてべーっと舌を出した後サクラはサスケのあとを嬉しそうに追っていった。あーあ、何してるんだ俺は。
サスケにうざがられても嬉しそうに笑うサクラは、昔俺のあとをついて歩いた彼女のようで更に昔が恋しくなる。
「せんせー!あーそーぼー!!」
俺の足にぎゅうと抱きついて歯を見せて笑う小さなサクラ。可愛くて可愛くて仕方ない俺だけのサクラだったあの小さなサクラ。もう一度俺だけに微笑む日がくればどんなに幸せか。
例えどんなに可能性が低くても、願わずにはいられない…俺だけにその笑顔を向けて欲しい。
彼女の微笑みの先にいたい
カカサクエアオンリーに提出させて頂きました。