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▼ 志摩と朴

しとしとと、登校時には降っていなかった雨が下校の時間には静かに音を立てて降っていた。予報では今日は降水確率20%とアナウンサーが言っていた為志摩は傘など用意していなかった。

「アカンなあ。ツイてへんわ」
「あれ、志摩君。どうしたの?」

途方に暮れていた志摩に後ろから声をかけたのは、クラスメイトの朴だった。彼女の手には可愛らしい淡い水色の傘が握られている。降水確率が20%でもどうやら念のために傘を用意していたらしい。朴さんらしいわなんて志摩がつい頬を緩めると朴も頬を緩めた。そして傘をポンと開くと手招きをする。

「途中までしか帰られないけど、傘入ってって?」
「え、あ、ええの?」
「うん。風邪引いたら大変だから」
「ありがとう朴さん」

ガラにもなく照れる志摩を見て朴は嬉しそうに微笑みながら「どういたしまして」と口にする。志摩はその笑顔にまた頬が熱くなるのを感じた。


相合傘をしましょう



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