▼ 吹雪と久遠
※黒くて口が悪い冬っぺ
私はこの人の笑顔が嫌い。いつもヘラヘラと誰にでも笑顔を振りまいて、思ってもいない言葉を平気で口にして、よく平気な顔をしていられるものね。私は絶対に貴方に好意を持ったりしない、絶対に。
「冬花さんって、僕のこと嫌いだよね」
「…よく分かったね」
驚いた。口にして言ったことなんてなかったのに。そもそもこうして1対1で話すこと自体初めてなのに、よく分かったね。言いたいことをかなり省いて私はたった一言呟いた。吹雪君は毒づく私をまったく気にした様子も見せずに私の嫌いなあの笑顔を浮かべて言うのだ。
「僕は冬花さんのこと好きなんだけどな」
ああ、やっぱり嫌い。そんなくだらないこと言う口は裂けてしまえばいいのに。
(ねえ、神様)
そう願うことはいけないことですか
スランプなう。私の中の吹冬ってこんなイメージ。吹雪にめちゃくちゃ冷たそう。でも実は大好きで仕方ない、とかおいしい。