▼ 一之瀬と木野
「あーきー」
「かわいいなあ…この猫…!」
「あーきー」
「毛もすごいふわふわ!」
「ねえ、秋ってば」
「瞳も綺麗ね!本当にかわいい」
「秋のばか」
そこで秋はやっと自分のことを呼んでいる一之瀬の存在に気づいた。拗ねて顔を合わせてくれない一之瀬に何度も謝る秋。
「ごめんね、猫がかわいくてつい…」
「…猫を可愛がるのは別にいいけどさ、少しはこっち向いてよ」
「うん、ごめんね…?」
「もう謝らなくていいからそのかわりに、いくら猫でも嫉妬することは覚えてて」
「うん、分かった」
君が好きだからこんなに嫉妬するんだ