千歳が幹部入りしてからというもの、半ばお決まりになった風景。
俺達二人の真ん前、テレビの前で俺たちに背中を向けて座っているのは朝日。
こちらに背中を向けていても、イライラと好奇心で心がいっぱいの朝日は、テレビに夢中なふりをしている。

「朝日、気になるのか?」
「ならない」

聞けばすぐさま答えを返す。
心の中のストレスゲージが増加してるのが手に取るようにわかった。
大和は相変わらずあきれ顔でそれを見ていて、千歳は俺の横で苦笑中。
食べ終わったらしい千早がかけてきて、千歳の膝の上に飛び乗った。
千歳はそれを難なく抱き留め、千早の頭を撫でる。
千早はといえば、俺の方をちらりと見て笑う。
うらやましい?
心の中でそう問われ、いらっとしたのは否定しない。

「千歳は俺のだ。千早?」

そういって
千歳を再び抱き寄せれば、むっとした顔をする千早。


惚れたもん勝ちだろう?


(俺の方が早かったんだ)(千早の方が先)(もう聞いていられない!二人とも破廉恥だ!)(大和さん、旦那、見てないで助けてください)(俺は知らん)(千歳ちゃんもてるねぇ)





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