見慣れた学校の廊下をゆっくりと歩く。
カツカツと音をたてるのは、私の真っ赤なハイヒール。初めは無理してはいていたけど、今はもう慣れた。大丈夫。
周りよりずっと高い視界が好きだ。
上に居ることを実感できるから。なんて、くだらない理由だけど。それでも、優越感は素晴らしい。

「王美……。気持ちが悪いぞ。」

せっかく優越感に浸っていたのに、そこから私を引きずり降ろす男が一人。

「相変わらずウザいのね、悪夢。」

漆黒のコートに身を包んだ、長身の男。
夢見悪夢。
相変わらずウザい上に、神出鬼没な男である。

「何を言っている。俺様がウザいわけがないだろう。バカなのか、王美。」

上から目線の態度に、イラっとしてしまう。
そうしたら、我慢なんてできない。我慢なんて知りたくない私の性。
ゆっくりと近づいて……勢いよく、ハイヒールを漆黒のブーツに降り下ろした。

「いだぁぁぁー」

当然のごとくの絶叫。そして嘲笑。
静かな廊下に響き渡る、悲鳴と笑い声。
思い立ったら、即座に行動。やっぱり我慢は体に良くない。

「王美……。」
「私を罵倒した、貴方が悪いのよ。だって……


私は女王様
(自己中心な女王よ)


企画:海月の骨
お題:私17歳、職業は女王
作者:聖久蘭(少女貴族)
登場:篠野女王美・夢見悪夢(不思議国立有守学園)

ありがとうございました。
お題が生かしきれず、すいません。





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