「中尉、ちょっとこっちへ来たまえ」
昼休み、2人だけの執務室で、真剣な顔をした大佐が自身が先程まで座っていた椅子から立ち上がり突拍子もなくそう言った。
まさか、露見できない機密事項か何かだろうか、と訳もわからず手招きをする方へ足を進める。
内緒話でもするかのように右手を口の横に置いている大佐の元へ。
肩に手を置かれ、耳打ちされると思いきや、ぺろりと耳たぶを舐められた。
「ちょ…!なにするんですか!」
耳まで真っ赤になっているリザを前にして大佐はからからと笑っている。
「いや、耳たぶ美味しそうなんだもん」
「意味がわかりません…!気持ち悪い」
くるりと後ろ向きになって舐められた方の耳たぶを押さえる。
そんな様子のリザを愉快そうに見つめるロイ。
「リザはなにもかも美味しそうだ。」
ロイは舐めるようにリザの全身を眺めている。それに気づいたリザは振り返り、林檎のような頬のままで気持ち悪いです。と答えた。
そんなリザに軽く触れるだけのキスを落とすと、
リザはびくりと身を硬くする。
何度キスをしても、身体を重ねても、まるで初めてのような反応をする彼女を愛しそうに見つめると、
「君は本当に可愛いね」
と言ってまた唇を重ね合わせ、頑なに侵入を拒むそれを無理矢理こじ開け、舌を絡ませる。
「ふ、……ん」
目を閉じて頬を染める彼女が、肩で息を始めた頃に唇を離す。
とろんとした目、少しだけ開いた口が、赤く染まった頬が、全てがロイを狂わせる。

このまま、一発きめてしまおう。
そう決心した瞬間、

「あー腹一杯」
「まっずい飯でも食えるだけましだよな」
「美味しい…とは言えませんが、美味しいですよ!」
「フォローになってないぞフュリー曹長」
どやどやと食堂へ言っていた男たちが帰ってきた。

疾風の如く身を離した2人には既に甘い雰囲気は微塵もなく、
ロイはいつもより真面目に書類に取り組み、リザは何食わぬ顔で書類を待っている。
リザの顔には先程までの女の影は全くなく、鬼の副官の名称のごとくロイを叱りつけている。
「大佐、中尉、先お昼いただきやした!」
そんなところへハボックが満面の笑みで話しかけたものだから、ロイは燃え盛る炎の如くハボックを睨みつけ、
「お前らは生きて返さん」
と呟いた。
なにも知らずに標的にされてしまった憐れな部下たちは通常の三倍もの量の仕事を押し付けられ、定時で仲良く帰った上司の背中を恨むような目で見ながら、膨大な量の書類と仲良く残業に勤しんだ。

















…………………………

よくわからない話になってしまった




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