馬鹿げている。小さくて形の良い丸い頭は顎を乗せるのにちょうど良いとか、栗色の短い髪はさらりとしていて色々と邪魔にならなくて楽だとか。真ん丸で大きな眸は綺麗で時折吸い込まれそうになるとか華奢なその手指は柔らかくて思わず食べたくなるだとか。正直、どうでも良い。と言うよりも今考えるべき事ではない。解っているのにどうでも良い筈の、それでも意識の片隅にはもしかしたらあるのかも知れないがそれにしたって普段ならば彼女を目の前にしては考えない様な事を先程から頭が勝手にぐるぐるとリピートしている。そんな事を考えている間にも視線は彼女の瑞々しい唇へとそしてその中から覗く紅い舌へと注がれている事を自覚して思わず頭を抱えたくなった。


「…で。つまり、どういう事?」
「……は、」


だだ漏れてるんだけど、と頬杖を付く彼女に呆れた様な視線を向けられてから凡そ一分。頭の中で考えていたつもりの全てを声に出していたと気付いた時にはもう遅かった。開き直りか或いは我慢の限界か、恐らくはどちらもだろうが彼女に因って粉砕された理性を抑える術など当然ながら有る筈も無く、勉強の為にと向かい合っていた机という名の隔たりを片手で退けて一気に距離を詰めた。



その男、ムッツリにつき。
(抱いても良いか)
(…アンタってホント何かが残念過ぎるわ)
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